奇想天摩訶摩訶―退魔師 マカの備忘録ー

Areimu

結 鎌飯網

 天正十五年。

都で幻のような茶会が開かれた翌月。

三日月の晩から始まった変異は半月の夜に解決した。


 肌寒さとともに襲う怪奇は夜道を染め上げ、人々が息をひそめる。

夜が明け染め上げられた道を見て人々は疑心暗鬼になり、情報の枯渇が事態を悪化させた。


 後世にこの記録を残し糸口になることを狙い、私はこの備忘録を書き記す。


怪異の中に妖の影あり怪奇の中に人の影あり。

この世の理は対極ではなく一体であること。


 決して事実を恐れ逸らしてはいけない。

不明瞭の原因はくみ取れてないことである。

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