第100話餃子を食べたい3
黙々と餃子を作る事数分、餃子の皮が少なくなってきたので私はそっとその場を離れて焼く作業に取り掛かる。
今回は餃子に欠かせない羽の部分も作っていく。
やっぱり餃子には羽が無いとね!!
羽を作る為に必要なのは饂飩粉と水。
後はその二つを混ぜるだけ。
「まずは餃子を焼いてっと…。」
餃子に焼き色を付けていたら、さっき作ったものを入れ蓋をして蒸し焼いていく。
蒸し焼きしたら今度は蓋を外して、羽を作る為に水分をとばす。
暫くすると水分がとんで羽が茶色っぽくなったら完成。
「この羽の部分が美味しいんだよね~。」
「「羽?」」
私の独り言に二人の声が重なる。
声が重なった与一君と信長様が目を合わせる。
私は苦笑いしながら、羽の事を説明する。
「羽っていうのはこの薄い茶色の部分の所です。」
与一君が顔を近づけて餃子の羽の部分を凝視する。
「なんか…想像してる羽と違う…。」
それに同意するように信長様が続く。
「鳥の羽でも食うのかと思ったぞ。」
この二人何を想像してるんだか。
ぱっと目を外した時に、藤吉郎さんと目が合った。
「………。」
「………。」
私が持っている餃子を見て顔をそらされた。
藤吉郎さん…あなたも同じことを考えていたんですね。
よしさんはというと私が作った中華スープを温め直してくれていた。
「よしさん!ありがとうございます!」
「ん?出来たかい?」
「はい、出来ました!」
おぼんにご飯、中華スープ、餃子を載せて信長様の所に持っていく。
もう見てるだけで唾液腺が爆発してる。
自分の空腹を抑えながら信長様の前におぼんを置く。
「餃子定食です。どうぞ。餃子はこの醤油に付けて食べて下さい。」
「わかった。変わった汁物もあるな。」
「それは中華スープです。味噌汁ではないですけど美味しいですよ。」
中華スープには玉子がフワフワと浮いている。
中華スープの中でもこの王道の玉子スープが一番好きだったりする。
信長様が食べるのを待つが食べる気配が無い。
少し考えてから信長様が全員に言う。
「今日はみなここで食え。俺が許す。」
「…いいんですか?」
「あぁ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
お腹ペコペコで我慢の限界だ。
ここは甘えるしかない!!
この事をよしさんと与一君に伝え、急いでお皿に餃子を盛った。
「信長様、ありがとうございます。準備出来ました。」
「食べるとするか。」
「はいっ!!」
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