第16話 盾って凄いな!?
あの後、師匠とユラさんは宿に戻り、レラも家に送った。
僕は帰宅した後、ベットで転がる。
師匠から解決策を頂く事が出来た!
素晴らしい、なんて素晴らしい人なんだ!
男として尊敬出来る人だ!
愛する人か……僕は前世を含めて好きになった事がないからまだどんな感じなのかさっぱりわからないけど解決策があるという事が重要だった。
レラやフィアはとても可愛いから好きや愛してるという感情より先に僕には釣り合わないと思ってしまう。
一応、好きは好きなんだけど──
友達として好きな気がする。これから仲間としてやっていくんだし、嫌いな人とは組みたくないしね。
いつか本当に好きな人が出来るのかな?
そんな事を思いながら──意識を手放す。
◇◇◇
次の日──
今は朝の座学が終わり、昼の訓練前だ。
「さぁ、今日からは個別訓練も開始するわ。実戦訓練と交互にしていくからそのつもりでいなさい」
母さんがシャーリーさん、師匠、ユラさんと並んでそう言う。
ついに盾を教えてもらえるのか! と僕は興奮気味だ。
自己紹介が始まる。
「俺は盾使いのゾルだ。主にロイの面倒を見る事になるよろしく」
「私は魔法使いのユラ。このアホが変な事をしないように一緒にロイ君の面倒を見るわ」
ユラさんも僕の担当なのか? 師匠1人でも問題ないんだけどな。
魔法使いって言ってたし、魔法でも教えてくれるんだろうか?
「知ってると思うけど2人は現役の『聖天』よ。きっとロイの力になってくれるわ。そして──フィアちゃんはシャーリー、レラちゃんは私が面倒を見るわ」
「「「はいっ!」」」
「じゃあ、開始しましょうか? ゾルとユラはわかってますね?」
「「はっ! 隊長っ!」」
前からずっと疑問だったんだけど──母さん引退したんだよな??
何で隊長って呼ばれてるんだ??
「ふふ、ロイド君の疑問はなんとなくわかりますよ? ライラは引退しましたけど、隊長に相応しい者が現れないので空席のままなんですよ。それに──ロイド君がちゃんと冒険者育成学園に入れたら戻ってくれますしね。私達も協力は惜しみませんよ」
母さんの代わりがいないって……凄かったんだな……どんな立ち位置だったのか気になる……。
それより──
「えっ!? 母さん『聖天』に戻るの!?」
「そうよ。ロイが手を離れたら暇だしね? 私もロイ達を鍛えつつ、勘を取り戻してる所よ? 本調子まで後少しかしら? やけに体の調子が良いし、全盛期以上になれそうよ!」
……まさかそこまで話が進んでいるとは……。調子が良いのは間違いなく【性感度】大先生のお陰だと思う。
母さんの全盛期以上ってどんなんだろ?
「ロイ、ゾルはカイルと同じ【ガスタール流盾術】でカイルの兄弟子にあたるわ。しっかり教えてもらいなさい」
「わかったよ! 母さんの攻撃ぐらい簡単に防いでみせるからね!」
「ふふ、楽しみねぇ〜私も早く本調子に戻すわね!」
こうして僕達は個別訓練を開始する。
レラは早速母さんと撃ち合いを始め、フィアはシャーリーさんから何か説明を受けている。
「ゾル、こっちもやるわよ」
「はいよ〜。よし、ロイっ! こっちも始めるかっ!」
「あ、はい。具体的に何をするんですか? 後、師匠はわかるんですが、ユラさんは何の為にいるのか気になります」
「とりあえず──盾の説明でもしてやるよ。ユラが何でいるのかは後でわかるから、楽しみにしてな」
今はただ攻撃に対して盾を合わせてるだけだし、教えてくれるのはありがたいな。
ユラさんは後のお楽しみって言ってるし、後で教えてくれるんだろう。
「盾の使い方知りたいです!」
「俺はカイル程、凄くは無いが──今の『聖天』じゃ一番だからな! 任せとけっ! まず、盾はな──」
師匠曰く、『盾はあらゆる攻撃から身を守る為の防具』だそうだ。
確かに武器じゃないもんね!
他にも盾の種類、利点や欠点を色々と説明してくれた。色々と多すぎて完全に理解が追いつかないけど、使って行く内に身をもって経験すると言われた。
それと、チームで動く時や1人で動く時の立ち回り方や心構えも教えてくれる。
特に心構えは僕がこれからレラとフィアの3人で組むのならとても共感出来る内容だった。
その一つが──
『盾役は仲間を危険に合わせてはダメだ』
──だった。とても、シンプルな言葉だけど真理だなと思った。昨日の師匠は本当に凄かった……安心感が半端なかったし。
更に使い方も色々あるんだなと感心もした。
既にやっている逸らすという動作は剣だけでなく槍や他の武器などを逸らす事もコツ次第で出来るし、構えの状態や相手に押し付けたりする事で、相手の攻撃方向を制限する事も出来る。
それに敵の弓や投石、魔法などの遠距離攻撃を防ぎつつ、接近戦に持ち込む事も可能だ。
盾をかざして、体当たりに使えるし、相手を押し倒せる。
更に衝撃だったのが、盾で殴る事だ。小型の盾ほど、この攻撃は行いやすいらしい。
「──盾って素晴らしいですねっ!」
「そうだろ、そうだろ! 盾は素晴らしいんだっ! 後衛だけでなく、前衛も安心して攻撃出来るのは盾役がいるからだぞ!」
「まさしくっ! さすが師匠っ! 凄いです!」
「そ、そうだ! ロイ──お前の師匠は俺だっ! 俺がカイルの代わりに立派な盾使いに育ててやるっ!」
「ありがとうございますっ!」
俺にこうして正真正銘の公認師匠が出来た──
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