鬼の食卓
千秋静
第1話
オレンジ色の柔らかい照明の下、ダイニングテーブルの上にはカセットコンロが置かれ、さらにその上に大きな土鍋が乗っている。
コンロの横に置かれた皿には野菜のような植物。そしてもう一つの皿の上には老若男女、大勢の動かない人間が四肢を伸ばした姿で山盛り乗せられていた。
事前に出汁を沸かしているのか、土鍋の蓋の小さな穴からはシューシューと細い湯気が吹き出している。鍋の中の出汁らしきものは今か今かと臨戦態勢に入ったかのように煮えたぎっているに違いない。
とある晩。鍋を囲んでの団欒が始まる。
団欒の用意は万全だが、家族はまだ集まっていない。
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