第12話 次の配信の準備
初配信の次の日の夜、ボクは担当さんに一つ相談をしていた。
担当:〈相談ってどうしたんですか?アンチですか?処しますか?〉
ゆうき:〈いえ、そういうわけじゃなくて〉
担当:〈?〉
ゆうき:〈配信についてなんですけど〉
担当:〈もしかして何かネタが浮かんだんですか?〉
そう、反省会を後に担当さんから〈配信のネタになりそうなこと考えておいて〉と言われたのだ。
ゆうき:〈どうやるかとかわからないんですけど...大丈夫ですか?〉
担当:〈大体のことならわかるので大丈夫ですよ~〉
あの時、自分の趣味とかをネタにしてみては?ともいわれていたのでそれを参考にさせてもらった。
ゆうき:〈料理とか....だめですかね??〉
担当:〈料理をしているところを映す感じですか?それとも、音声だけ?〉
ゆうき:〈その辺はまだ何も考えてないです...〉
Vtuberは、バーチャルな存在なことが多いのでリアルの写真や映像はもちろん、所謂〔中の人〕が映ることは基本ありえないこと。リアルが映りこんで炎上や引退をした事例が過去に何件もあることから、事務所の方で禁止している場合がほとんどなのだ。
担当:〈少し、確認してみますね~〉
ゆうき:〈お、お願いします!〉
(やっぱりダメ、、だよね)
◇
担当:〈戻りました~〉
担当さんはあれから五分もしないで戻ってきてくれた。
ゆうき:〈ど、どうでした?〉
担当:〈材料と完成品以外は撮らない条件でならOKだそうです!〉
自分の好きなことを配信でできると知ったボクは内心ガッツポーズをしていた。
ゆうき:〈いて、、〉
担当:〈大丈夫です?〉
ゆうき:〈だ、大丈夫です...〉
...実際にもガッツポーズをしていしまったボク。
(うう...)
担当:〈レシピとかはどうします?こっちで用意しますか?〉
ゆうき:〈大丈夫です!〉
担当:〈レシピによっては使っちゃダメな物もあったりするので〉
担当さんの心配はもっともだ。でも、その辺も抜かりないよ!
ゆうき:〈ふっふっふ、大丈夫です!ボクが考えたものを使うので!〉
担当:〈そうなんですか!?〉
驚いた声音を見せる担当さん。最初の頃はあまり表情が分からなかったけど、実際に話してみたら案外そうでもなかった。ボクと一緒で緊張していたのかな?
ゆうき:〈やっぱり男のボクがこんな趣味があったなんて引きますよね....〉
担当:〈そんなわけではないですよ!世の中には料理系男子というのもいるので全然大丈夫ですよ!!〉
そのまま次の配信に向けてのネタ会議は続き、そのまま料理配信に決まった。
配信日は二日後。
材料などが簡単に手に入るから短めにすることにした。
ようやく自分の趣味を披露できる場が来たとルンルンなボクはレシピノートを広げるのであった。
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