第7話 ボクの初配信...準備

あれから色々あり過ぎてあっという間に初配信日、ボクのVtuberデビューの日になった。


告知ツイートから三日、ピピッターからの通知がやけに多かったから切ってたけどどうなってるんだろう?



 氷柱ゆい/セカプロ2期生 @Turara_Yui  3日前

皆さん初めまして!セカプロ2期生の氷柱ゆいです。

初配信は3日後の21時からです。

ボクの初配信見に来てくださいね。

💬542 ♡12,000 ⇆8,600


見なかったことにしよう。うん。


「さ、最近バグが多いってき、聞くしなー」


一人芝居で呟いたらボクたち2期生の担当さんになった草薙さんからメッセージが届いた。


〈そんなバグはないですよ〉


慌てて返事を返す


「なんでわかるんですか?!」


〈ゆうきくんが考えそうなことなので〉


「そんなにわかりやすいですか?ボク」


〈顔に書いてあります〉


そんなにわかりやすかったのかと項垂れているとまた通知が鳴った。


〈プロフィールとかはこちらで用意しましたので↓〉


そこには添付されたプロフィールが、用意がよくて本当に助かる。


パソコンを本格的に触り始めたのが2週間前だからまだまだサムネなどの作成には時間がかかってしまう。


〈頑張ってくださいね!〉


「はい!」


励まされたのが普通にうれしくて思わず声に出てしまった。恥ずかしい、、




ついに配信1時間前。

最後にもう一度機材のチェックをして万全な体制を整えておいた。


(そういえば貰ったプロフィールはまだ見てなかったっけ)


事前にメッセージで

〈1時間前までモデルとプロフィールは見ないでください!〉

とかかれていたからだ。


名前:氷柱ゆい(つららゆい)

身長:160

体重:内緒!

好きなこと:料理 読書 ゲーム 甘いもの!

キライなこと: 辛いもの 苦いもの 怖いもの

一言:学校や仕事で疲れたお兄さんお姉さんたちを癒したい!

配信予定:ゲーム枠、雑談枠、コラボ



好きなものと嫌いなものはリアルと同じにしてくれたんだ。


モデルの方を見てみると、

そこには

薄水色の肩ぐらいまで伸びた髪

白銀を思わせるような色合いの瞳

そして華奢な体つき。

オーバーサイズのパーカーを着ているためどっちの性別にみられてもおかしくないのである。


そして名前も相まって女の子にしか見えない。


急いで草薙さんに電話を掛けた。


〈あ、モデル見ました?〉


「見ましたけど!ボク男ですよ!」


〈その辺は大丈夫です!初めて会った時、社長に言われるまでわからなかったので!〉


「身長低くて体が小さいのは知ってますよ!とりあえず、それは置いておいて声はどうすればいいんですか!?」


〈元が高いので少しだけ声を作ってみてください。イメージはですね...妹的な感じで!ボクっ娘の!〉


むちゃぶりが過ぎますよ!

内心そう叫びながらボクは昔姉さんに使ったことがある声を思い出した。


『え、えっと、これでどうですか?』


〈ッッッ!!〉


『だ、大丈夫ですか!?』


〈え、ええ、大丈夫ですよ、、何とか持ちこたえました。次はお兄さん呼びの練習をしましょう。何か一言付けてみてください〉


『え、えっと、お兄さんお仕事お疲れさま!...こんな感じでどうですか?』


〈よかった、お姉さん呼びさせなくて、、、ばっちりです!これで視聴者を殺しとりに行きましょう〉


『わ、わかりました。』


ボクにちょっとしたいたずら心が芽生えた。


〈それじゃあ配信まであと少しなのでスタンバっててくださいね〉


『わかった!頑張るね!お姉ちゃん♪』


〈ゴフッ〉


「え、大丈夫ですか!?」


そこで草薙さんとの電話は切れた。

ほ、ほんとに大丈夫なのかな...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る