カルディア①

 斬り捨てたゾンビは動かなくなっていた。

 ナイフの刃を確認。異常なし。


 ――よかった。


 間に合った。ギリギリだったけど、間に合ったならセーフ。セーフだよね。


 こちらを見上げるシオンの視線がなんだかくすぐったい。ちょっとだけ大人っぽくなったけど、可愛い顔立ちは変わっていなかった。


 シオンがゾンビにならずに済んだのは、運が良かったと言う他ない。運が良いは私とシオンのどっちだろう。どっちでもいいか。


 久しぶりだね、シオン。

 迎えに来たよ。

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