27

27


 どれだけ叫んでも、助けが来る可能性はほぼ皆無。そして僕は剣も魔法も使えないのに、相手は百戦錬磨の傭兵が三人。絶体絶命のピンチだ。


 逃げようにも今の僕は疲れ果てているから、それは無理だろうな。そもそも例え元気な状態でも、僕の脚力じゃ逃げ切れないかもだけど。


 そうなると選択肢はかなり限られる。どうすべきか……。


「あー、まどろっこしい! さっさと処理してシアへ急ごうぜ。時間が勿体ない」


 僕が考え込んでいると、業を煮やしたネネは背負っていたバトルアックスを手に取り、その先端を僕の目の前に向けた。重厚なたたずまいと鏡のように煌めく刃の金属光沢、得も言われぬ威圧感と冷たさが、空間を超えて肌に伝わってくる。


 こんなもので一撃を食らったら間違いなく終わりだ……。


 間近に迫る死を現実として感じて、僕は思わず唾を飲み込む。体はまるで金縛りにあったみたいに動かない。


「さようなら、アレス様。安心しな、痛みを感じる間もなくポンっと首が飛んでるから」


 ネネは無慈悲にバトルアックスを振り上げた。そして次の瞬間――



 BAD END 2

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る