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 相手が小さな虫だとして、襲ってきたら僕は戦うだろうか?


 これは今の僕とドラゴンの立場が入れ替わった状況とも捉えられる。


 だとすると――


「分かりません。状況によると思います。もし意思疎通が出来れば戦わなくて済むかもしれませんし、僕に害をなすなら戦うかもしれない。害をなすにしても理由に納得がいけば受け入れる可能性だってあります」


『……なるほどな。やはりおぬしは面白い人間だ。気に入ったぞ。話に付き合ってもらった礼におぬしを町の近くまで送り届けてやろう。道に迷ったのだろう?』


「あ……いえ……迷ったというか……でもまぁ……送っていただけるなら助かります……」


『では、我の背中に乗るがよい。振り落とされぬよう気をつけてな』


 こうして僕はドラゴンの背中に乗り、シアの町の近くまで運んでもらえることになった。


 翼があれば空を自由に飛んで移動できるのに――なんて、ちょっと前に思っていたけど、まさかそれがこんな形で叶ってしまうなんて。


 自分の翼じゃないけど、これはこれで胸が高鳴る。だってドラゴンの背中に乗って空を飛べるなんて、そうそう経験できることじゃないもん。ご先祖様だってドラゴンに乗ったことはないかも。


 あぁ、まだまだ世界には知らないことや素敵なことがたくさんあるんだなぁ。しかもその一つひとつがガラス玉のようにキラキラ輝いている。そんな気がする。それを見つけに旅をするのも楽しそうだ。


 先のことは分からないけど、やれるだけやってみようかな!



 ――僕はこの時、そう強く決意した。



 NORMAL END 2

 

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