第12話 なぜか無双になっていた…。
欲望をいくら、上塗りしても
結局中身が無いから
内部崩壊するだけ!
そんな事を、証明するような
会議を抜け出して
用達は聖女さんたちと
炊き出しをしていた。
今いる人達の状態。
○国王達すらくしゃみをする。
○鼻水が緑。
○骨が見えるほど痩せるか
筋肉がなくて太ってみえる。
○持久力が無い。
○ゲップが出ている。
ここから、わかること。
栄養失調による
身体の抵抗力が極端に低下して
しかも胃の中が空っぽ!
用は、考えた。
こんな場合、日本なら点滴治療から
始めるような事態になると!
いきなり、たべると
体調悪化するのだが、
そんな事はなかなか知られていない。
しかし、食べないと死ぬ。
点滴なんて、こんな不衛生状態
だと無理だろうと考えて
肝臓にもよく聞くとかの
薬効やビタミンバランスを
考えると…
ハイ!カレーライスを
作ることになった。
カレールーは、ユイナに適当に
渡しておいた。
メーカー?
もう、そんな事を考える
暇なんて無い!
人が、殺到したのだ!
涙を、流して玉ねぎを切っている
聖女さんたち。
マフィンさんは、
じゃがいも剥くのが上手だ。
トロイちゃんは、
人参をさばいていく。
用は、浄化水装置の使い方と
米の炊き方を教えて
その後、小麦を出して
ナンをこねる機械を出す。
元パン屋さんとかの
職人さんを見つけたら
スカウトしてパン焼きを
任せていく。
気がつけば、
リーマンブラザー15世達も
カレーを食べていた。
そして、聞くと
昔は香辛料とかの畑とか
あったらしいが、宅地にしてしまって
もう食べられないらしい。
アホか!
思わず言ってしまった用。
田んぼと畑潰して、
食糧難ってアホか!
そういえば、日本の食料自給率が
米以外全て実質3割以下なのは
実は昔からいわれていたことで
ヤッベーな〜と、
用はそれ以上王達に
苦言を言えなかった。
いつの間にか、カレー無双していた
用だが、顔は暗い。
だって、この世界の
食料生産は、実質ゼロになりつつ
あるからだ。
そして、火山の噴煙はそれを濃く
覆い出した。
このままいくと、まぁこの世界が
存続したとしても、
氷河期一直線だなと予想する。
ユイナも、そう予想はつけていた。
しかし、それは過去の地球の
データーからの予想であって、
この世界の場合は
星ではなく世界そのもの。
夜空の星の一つが、いきなりでかく
大きくなった!
ユイナ
「え!」
用!
「超新星爆発だな。
放射線がこちらに向いたら
不味いから、
建物自体の上と地面に
鉛の板でも置いて置くか。」
超新星爆発の時に、
X線とかの、やっば〜い放射線が
ビーム砲みたいに全方位出すタイプの
超新星爆発もあるそうで
近くの惑星とかだと、
たまったものではないものまである。
それも、一つや2つではなかった。
地球での物理理論なら
恒星内の核融合反応の
主役が水素から鉄になっていき
ウランなど重たい元素に
融合生成されだした頃に
デカい質量の恒星は
超新星爆発を起こすとされている。
が!
今回は違う!
この世界が崩壊していっており、
段々と縮んでいるために
恒星がランダムに圧縮されて
超新星爆発並の爆発が
星の質量関係無しで、
起こりだしたのだ。
そう!
かなりこの世界の崩壊が
進んでいると言うことである。
用!
「そろそろ、意思を決めないと
時間がないぞ?」
メイド・トロイ
「恐らく、一度だけでしょうね。
管理者神に会う機会があるのは
一度だけでしょうね。
その時に、どんな要望を出すか
決めないといけない。
まぁ、大迷医でもある
オババと、大オババ…
教皇と凶皇が治療するから
時間通りに連れてくるだろうけど
その時ぐらいしか
チャンスはないと言うことですよ。」
ブルーゲス
「うわー、あいつらが
主治医かよ、俺なら逃げる。」
美男子ナナシ
「そんな、怖いよ〜。
死ぬよりも怖いよ〜。
あの教皇と凶皇が
孫だったなんて、
どうすれば〜。」
そんなに怖いのかよ!って
皆が思っていた時に、
また火山が新たに噴火した。
欲望のぶつかり合いの
会議はそれでも終わらない。
皆、言いたい放題だ!
いつしか、庶民達はお腹が
やっと満たされて
王達の中身の無い議論に
耳を傾けて頭から怒りの湯気が
出始めていた。
用は聖女さん達に、
他の世界に亡命したい者が
いないか?と聞くと
聖女さん全員と騎士団や
首都に集まった者や
首都民の半数は、
亡命をしたいと言った。
トロイは、今は黙っておけと言う
口に指を立てる仕草をする。
そして、ゆっくりと
空が歪みだしてきた。
そう、主役の80年位前に
交代した管理者神の登場が近い。
そして、神殿の会議場を中心に
アナウンス的な
御告げがやってきた。
この世界の管理者神の声で
もうすぐ、そちらに行くから
民主主義の完璧な国家を用意して
運営しておくように
なんて、内容の御告げが出た。
首都中の者たちに、
それは聞こえたのだけど
用は、なにも言わなかった。
しばらく黙っていたが、
ユイナとその祖母のマフィンさんに
先に、地球に行くか?と聞く。
ユイナ
「あの足手まといにならないように
しますので。」
用!
「いや、そうではない。
どう転んでも、9割方
血を見る事になる。
はっきりというと、
戦争よりも酷いものを
見る事になる。
そんなものを、
進んで見るものじゃない。
この人達も、今から別の空間に
運ぶ準備をする。
生きたいと思う者達は
生きればいい!
あの権力者達みたいに、
人の命で遊びたい奴らの作る
殺戮の世界に身を置かない方が
いいだろうな。
さてと、どこかいい世界は
ないか探してもらっているけど
あれ?
なんだあいつ?」
用!は、空を見ながら
顔をしかめる。
トロイも、しかめっ面だ。
用は、素早くユイナとマフィンに
首飾りのアイテムをつけさせた。
用!
「それは、命の危険を感じたら
すぐに転移出来るように
プログラムしてある首飾りだ。
つけておいてくれ。
管理者神に選ばるからには
少しは、まともな奴かと
思っていたけど、
なんてやつが選ばれたのだ!
ゼーロの奴らだな、全く。
まぁ、国の担当の管理者達
(ブルーゲスや、美男子ナナシ)を
見たときに、嫌な予感は
少しづつしていたけど
駄目だな。
今から、緊急事態発令をして
逃がすか?」
メイド・トロイが、黒電話をもって
どこかと通話していた。
メイド・トロイ
「主様の移民許可を出せば、
マルダス世界にいつでも行けると
回答が来ました。」
用!
「なら、あいつらは
放置して、この人達にマーキングを
開始しよう。
降臨してから、戦闘開始まで
恐らく1.5秒位だから
その間に転移しないと行けないな。
来るぞ!」
そして、空が白い筋が出来て
そこから、どう見ても
アル中の飲んだくれの
20代の男が現れた。
ユイナ
「ハァ?( ̄△ ̄;)」
まぁ、あの姿を見て
この世界の最高権力者だと
言われたら、
正常な反応なのだろうなと
なんとなく、
最近心がトゲトゲしくなったと
自覚して反省した、用であった。
□□
次話予告
凶気乱舞の会議場!
誰だ為の世界なのか?
です。
転移した異世界が無茶苦茶なのは、オレのせいではない!
の、清書が大変遅れています。
なので、前に近況ノートでも少し触れていた
「カクヨムオンリー」の作品を
年末年始ぐらい分は、かけていたので
急遽投稿する事にしました。
題名は、「シックス戦記」です。
実は(仮)題名のままだったので
途中変更する可能性があります。
アルファポリスの
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
と、
転移した異世界が無茶苦茶なのは、オレのせいではない!
も、よろしくお願いいたします。
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