第373話 とあるスープ屋の旅2

  マイークラー街冒険者ギルド


ギルドマスター室


ギルドマスター グリス

「こんにちは、


クエストの発注と聞いております。


しかし、今はパイン街は戦争中です。


しかも、かなりの大商会様も通行証を、


お求めになりますが、無理なのです。


審査基準は、お金や、権力ではないのです。」



ソールバ

「そうであろうな。


だが…パイン街からの


オーダーであったなら、


話は違うのではないのか?」




ギルドマスター グリス

「確かに、本当ならば。


〔ワシは必要なはずだ!〕と、


言われる大貴族様に大商会様が来られます。


しかし、ヨーガ商店の方の審査が


ありまして、合格されないと難しいですね。」



ソールバ

「そうだろうね。


では、聞きたい。


あなたは、冒険者ギルドを裏切って、


バボン国王につくのか?


それとも、冒険者ギルドマスターで、


あり続けるのか?」



冒険者ギルドマスター グリス

「何故?そのような事を。


バボン王国は冒険者ギルドとは、


争わない。それは、周知のはずだ!」



ソールバ

「ハァーーーーーー!


ウソはいけないね。


例えギルドマスターであっても、


ウソはいけない。



新たなる後ろ盾がいるとして、


国王は無茶苦茶な要求を


ヨー・ヨーガ殿に飲まそうとした。


今回、バボン国王は明らかに、


パイン街のヨー・ヨーガと対立する事を、


行動で示した。



ホア・ド・ソク公爵が、


戦争を仕掛けたのも、


偶然ではあるまい。


政治力学の計算レベルだけは、


あの男はかなり高いからな。



そして冒険者ギルド王都支部は、


それに同調して、


前勇者パーティーメンバーのドリズ女史に、


圧力をかけたが…


大反対を受け、


グランドマスターも出てきたが…


自分達の大失敗に気付かされた。


なので、ついにミノタウロス軍団が出た。


今はなんとか収めようと行動している。


なら、簡単だ!


バボン王国につくか、


ヨー・ヨーガド殿につくか?


どちらかだ!


バボン王国が謝罪しても、口だけ!


解決しないし!中身が無い謝罪は、成立しない。



つまり、バボン王国とヨー・ヨーガの


戦争をバボン王国は避けるつもりはない。



おそらくだが、


今頃グランドマスター マットと、


王都支部のワシャが、


ここに向かって来ているのじゃないか?」



ガタッ!


席をたつグリス!


グリス

「なぜ…え?」


グリスが言いかけると、


ソールバは、


冒険者ギルド本部通行証を見せる。


ソールバ

「どうぞ!見てください。


本物ですよ。


そしてパイン街のドリズ女史に聞きなさい。


恐らく、この男を探しているはずだ。」



そう言ってソールバは、顔を隠していた


フードを降ろし、


鑑定妨害アイテムを解除して、


素顔を見せた。



グリス

「は、はは…なるほど…


さすが、現状をよく把握されている。」


ソールバ

「ドリズ女史に、


(そちらに向かった


取り扱い危険人物の行動記録が、


やって来た)といえばわかる。


確認が取れれば、すぐに向かう。


急いでくれ!


バボン国王に見つかれば、


恐らくワシを、己の利益に利用するだろう。


ワシが行かねば、


ミノタウロス軍団の行動も、


マット達の行動も全て無駄になってしまう。」




グリスは戦果した!


そう、冒険者ギルド本部にかなり近い政治家、


そしてその男が、ほぼ現状把握していること。


そして戦争中だというのに、


行くと言う。



すぐに、パイン街の冒険者ギルドに


魔導通信をつなぐ段取りをする。


グリス

「こちらからは、通信できないのです。


向こうからの通信待ちです。


もうすぐ、合図の信号を…え?来た?」



グリスは定期連絡以外で、通信が来たので


びっくりした。



ヨー・ヨーガ本人が、依頼してきたのだ!


2人の冒険者らしい人を、そちらで


しばらく匿って欲しいと!


費用は全て、ヨーガ商店で持つという。



こちらは、ソールバ本人が出た。


ソールバ

「何故、私を牢屋に


入れてくれなかったのですか。」



「そういう事か…こちらに来れますか?


戦闘は、もう終わりました。


残党200万は、どうも死んだふりを


していますので、今ならこちらから迎えに


行きます。」



ソールバ

「しかし、あのバボン国王が、


ここをうろついとる。」


「手練れを派遣します。


あと、グリスさんに


手紙を渡すつもりでしたが、


私も行きます。」



そして、一時間後…

(用視点)


「すいません。いきなり来てしまって。」


メイド・トロイが、


副ギルドマスターさんにお土産を渡して、


話をしている。


事務的な話は、任せることにした。



ソールバ

「やはり、あの女王は問題になりましたか…


実は、あの女王は身は一つだが…


3人います。」



「ええ、その問題はとある所からの依頼


があって対処しました。


本人(元女王メルト)の了解もあって、


治療中です。」



グリス

「え? 分裂していたのですか?」


「詳しくは言えないが、


この世界ができる前に、3人にふ・え・た、


と言うのが真実です。


だから、二人は名前が思い出せない、


という表現を使っていたはずです。」


ソールバ

「そうだったのか…


彼女は苦しんでおりました…」


「パイン街に来てくれませんか?


歓迎します。それにマットさんも


来やすいし。」



ソールバ

「わかりました。よろしくおねがいします。」



グリス

「(王国どうしよう?)


その…どうも少し前に、


バボン国王が来たみたいです。


その時は、副マスターが対応しました。


彼らは、パイン街に入るつもりです。」


「来たな。


今、ギルド前に来ているな。


さてと…」


シュッタ!と、執事・大俵が現れる!!


執事・大俵

「影(斥候)達は、戦闘不能にしました。


あの側にいる男が、鑑定を使っていますね。


どうしますか?」


用?

「えい! フフ!必殺目潰し!」


用?は、指に白いオーラを纏わせて、


目潰しの仕草をした。



「アーーーーーー!」


ギルドの建物の外から、叫び声が聞こえる。



「まったく! まぁ城下町で


いろいろやっていたから、


お仕置きだな。すぐに治るよ。


では、行きますか。


また連絡します。」



用達はソールバを連れて、転移していった。



冒険者ギルドマスター グリス

(グリス視点)


「帰っていった…ハァ…美味いなこのパン。」



ドドドドドドドドドド!


階段を駆け上がる音がする。


遅いんだよ!って怒鳴りたいが、我慢する。


だけど、マットさんが来やすいようにか…


わしも、あと一仕事するか!


必殺!気絶したフリ!



バボン国王

「今、ここに聖カルッティ王国元宰相が、


来たはずだ! 私が…… オイ……」



冒険者ギルド副ギルドマスター 

  ラチェット

「(あれは、気絶したフリ!)


キャーーーーーー!し、死んでる!」


バボン国王

「ちっ違う!わっ、わしではない!


本当だ!」



その後、副ギルドマスターとギルドマスターの


名演技で、時間稼ぎされた挙げ句、


はぐらかされたバボン国王。



ギルドマスター グリスはパイン街から


特使が来たが暗殺者が来たので、


返り討ちにして、


この場から帰ってしまったと、


言われたバボン国王は、


うなだれて宿に帰って行った。



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