第368話 バボン国王の一手
バボン王国・王都
宰相がダンジョンマスターになった頃。
バボン国王は、街にいた。
何故?
元聖カルッティ王国の宰相が、
スープ屋をやっていると言う。
スカウトするつもりもあった。
あの宰相は、女遊びが過ぎる!
この国王の悩みであり、
あまり貴族を罰すると、その問題に
行き着くため強く出られなかった。
しかし、そうも行かない。
昨日…娘達の手紙がおいてあったので、
よく読むと、自分が間違っていたのを
ひしひしと感じた…
なので、宰相2人制にしようと考える。
そろそろ、殺人クレープ屋跡と、
謎の美味い白食パン屋跡だ。
白食パン屋の店主は…
すごい美人らしい…
だけど…どこかで聞いたような…??
まぁいい、今はスープ屋である。
アレ?
無いぞ?
バボン国王(変装中)
「あの?ここらへんに美味いスープ屋が、
あると聞いて来たのですが?」
食堂のおねえさん
「あ~、あのスープ屋の親父か〜。
あのね、ここだけの話だけど、
道向かいに、すっごくマズいクレープ屋が、
あったのよ! そこの店主が、
2つ隣の白食パン屋の主人に嫉妬してね、
スキル使って潰そうとしたのよ!
それで、魅了で有名白食パン職人を使って、
潰そうとしたけど…
あの白食パン屋の主人!すごかった!
一瞬で、魅了を解いたのよ!
それも、あのタットさんの師匠だったの!
私も、あの白食パン食べたら、
足が怪我で動かせなくなって、
冒険者辞めたけど、
昔の仲間が見舞いでくれた白食パンで、
動くようになったのよ!
それでね、ここで働きながら毎日食べたら、
治ったのよ!
あ!話戻すと、その魅了を解いた時にね、
その現場を、
あのスープ屋の主人が見ていたの!
その時「女王様!」
って言っていたのよね…
それからよ!
すっごく落ち込んでいてね…
昨日辺りから、
来てないのよ。
やっぱり、
元聖カルッティ王国の宰相だったって
噂があったけど…本当かも?」
バボン国王(変装中)
「そうなんだ。彼、大丈夫なのかな?」
食堂のおねえさん
「確か、そこの長屋に住んでいたから、
誰か見に行ったよ。」
︙
︙
︙
長屋の中は、空っぽであった。
そこに、影がやってくる。
影側近A
「陛下、辺りを調べましたが、
見当たりません。」
そこに、巡回中の衛兵が来た。
連れの者が衛兵に聞くと、
昨日慌ただしく、引っ越して行ったらしい。
どこに行くと聞くと、
娘の所にでも行くと、言っていたらしい。
バボン国王は、急いで
国境の砦に連絡を入れる。
丁重に扱うように厳命した。
王宮に帰り、ため息をついたときである…
「なに!メルーダ鉱山の縦穴が、
ダンジョンになっただと!
宰相は? なんだと!ダンジョンマスター?
話が通じない? クソ!」
宰相側近B
「(チャンス!あの宰相に一矢撃ち込む!)
宰相は、国王陛下の恨み言を言っており、
もはや王国に恭順するとは思えません。」
バボン国王
「して、この有様、お前ならどうする?
のう?宰相の血を引くものよ。」
元宰相側近B
「ご存知でしたか。
隠すつもりはありませんでした。
私の母が妊娠したとき、
「産ませてやるが、名乗るな!
名乗れば殺す!」
と言われたのです。
質問の答えとしまして、
私が言えるとすれば、
聖カルッティ王国で宰相をしていた、
〔聖宰相〕の称号を持つ方を、
推薦します。最近、城下でスープ屋を
しております。」
バボン国王
「え? お主…まさか…
スキル[鑑定]を持っているのか?」
元宰相側近B
「その…[人物鑑定]と言うスキルでして…」
バボン国王
「そのスープ屋、昨日から姿を、消した…
今、早馬で国境砦に連絡したが、
捕まるかどうか…」
元宰相側近B
「その、なんと言って姿を、消したのですか?」
バボン国王
「娘に会いに行くとか、言っていたらしい…」
元宰相側近B
「うーむ…
国王陛下、彼は恐らくですが、
パイン街に行ったかもしれません。」
バボン国王
「なぜそう思う?」
元宰相側近B
「その、ブリードル帝国の元皇帝の妃は、
赤の他人です。他の男の子供…
しかし、それが公になった時から、
かなり時間が経っております。
しかし、ブリザード公国にいるらしい、
元妃は、元宰相に謝ったとか、
そんな情報は何一つ聞きません。
そんな女性を、義理の娘とかに思えますか?
無理だと、思います。
そして、かなり怒ってます。
元宰相の元妻を本気で殴ってます!
それも公開ライブ中継で!
そして、元娘はなにも言っていない。
そんな所に行くとしたら、
殺しに行く目的でしょう!
だが、それなら辞職後
すぐにブリザード公国に
行ったでしょう。
しかし、彼は王都城下町に来た。
では、元娘に会いに行くのとは違う。
一つ心の当たりがあります。
白食パン屋が、近くにあったのですが、
そこの娘ではないかと思います。
私の人物鑑定が全く機能しませんでしたが、
恐らくですが、
ヨーガ商店の主だと思うのです。
確か、近くの食堂のおねえさんも、
女主人とは言わず、主人と言ってました。
どう見ても女性なのですが、
女好きのあのおねえさん、
聞いたらしいのです。
すると、食堂のおねえさんに男だと、
はっきりと言っていたらしいです。」
バボン国王
「ヘ?あー!
そうだ!あの報告書!商業ギルドの報告書!
そうだ!どこかで聞いたことある話だと
思ったが…
そうか…
うむ…パイン街に行く目的は?
どう思う?」
元宰相側近B
「恐らくは、ユミ・オオトの事…
そして、元聖カルッティ女王の事…
そして、賢者マサキの事…
かなりありますね…
死ぬつもりかもしれません。
その…
城の図書室で見た資料に、
勇者の国の謝り方が、書かれてました。
正座をして、腹を十字に切る。
または、横に切る。
命を持って、謝罪をする。
それが、今は禁止されているらしいですが、
400年近く続いた方法らしいです。」
バボン国王
「確か、(腹を切る)だったな…
どうすれば…」
近衛騎士A
「あの!ハト便が来ました!
先程の会話で言われていたので、
途中の街全てに、緊急ハト便を飛ばしました!
今2つ目の街で、
衛兵による目撃がされてます!」
バボン国王
「でかした!
すぐに、もう一度確認してこい!
突然だが…国務大臣にならんか?
ワシが名前を、名乗る事を許す!
あの宰相を超えてみせよ!」
元宰相側近B
「ありがとうございます。
しかし、今の国難を
越えてからにして下さい。」
バボン国王
「どうする?」
元宰相側近B
「第2王妃に執政を任せ、
パイン街に、行きましょう!
謝るしかありません。
謝罪に王道はないのです。
王だからと言って無視すれば、
無視できない力の反動を生み出し、
報いを受けます。
今回の鉱山の事で、よーくわかりました。」
そこには、魔導通信で送られてきた、
2000メートル級の高さだった
メルーダ鉱山のなれはての、
大きな縦穴が写っていた…
バボン国王は、王妃に事情を話して、
出発することにした。
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