第308話 クラス優遇組…動く…1

 旧田丸 則子が命令を受け、


バボン王国の港に潜入した。



杉谷 

「なぁ?則子? お前の母親の名字が


違う事を、聞いたときなんだけど…」



旧田丸 則子

(ギクッ! マズい! ここで、


私がエージェントだとバレたらマズい。)


「もう、その話はやめてよ!


帰って来ない父親を探す身にもなってよ!」



野波

「旧田丸 達矢って言う人じゃないのか?」



担任・帆山

「確か、お母様も、そう言っていたよな?」



旧田丸 則子

「ええ。そうよ。よく覚えていたわね。


それがどうしたのよ?」


(クソ!どうでもいい話題振りやがって!


赤の他人の名字なんだから、


違ってて当たり前でしょ!)



杉谷

「良かったな。お前の父親この世界に


いるらしいぞ!」


旧田丸 則子

「ハァ?(なんだって!)


なに言ってるの!行方不明…


(そうだ!行方不明だった…)


え? アハハハ!冗談キツイな〜!」



野波

「資産家だったみたいだな。


ここでは、有名な前「勇者」だったらしいぞ!」



旧田丸 則子

「ええー!(クソ!マジか!)


有名人じゃん! なら、


もっと丁重に歓迎してくれても、


いいんじゃない?」



そして、フロン皇女の側近から、


マルダス世界情勢を聴く事になった。



旧田丸 則子

「で、私達の今回の任務は、


用賀と仲良くしろって事?


(マズい!スケープゴートにされるかも!)


え? 違うの? 商売の得意先になって、


ビジネスライクに関係を構築する?


なんで? 用賀本人と会うまでは、


そうしろって? わかったわよ。」




□□□□□□□□□

その日の夜、港町の宿では…



旧田丸 則子

「ヨーガ商店のやつ、


一人も出てこなかったね。」


杉谷

「ネオフッカケ商会?


なんで代理店挟むのだ?


あいつら、本人と会いたいと言ったら、


「会うには、資格がいる。」だとよ!


ふざけるな!」




担任・帆山

「衛兵から聴いてきた。


どうも、フッカケ商会の王都本店が、


全員逮捕されたらしい。


それで幹部以外の、逮捕されなかった職員を


救済目的で、ヨーガ商店が代理店契約を


結んで、給料を出せるようにしたらしい。



その代わり、ヨーガ商店本店の職員と、


パイン街外部の商人はあまり接点を


持たなくなったらしい。


なんでも、とんでもない軍事物資を


開発しているからだとよ。」



野波

「フロン皇女はともかく、あの側近のやつ、


俺達を出汁にして用賀と手をぼうと、


するだろうな…


そのほうが、手っ取り早いからな〜。



こうなったらできる俺達が、


パイン街に行って、


用賀と会った方がいいんじゃないか?


それで、この奴隷の首輪はずさせようぜ!」



杉谷

「なぁ、冷静に考えたら…


俺達、アイツに、恨まれてるよな。


そのことをフロンのキチガイは、


嗅ぎつけている。


俺達、スケープゴートにされるぞ!」




旧田丸 則子

「私もそう思う。フロンの狙いは用賀。


私達が、媚売って懐柔できたら良し。


出来なかったら、スケープゴートにして、


関係を持つ…


どっちに転んでも、関係を持つ為に、


ここに移動させた…。」



野波

「そうだ! 砦で勇者を自爆させた事を


ここの奴ら知っていたぞ!」



担任・帆山

「衛兵も、言っていたな。


その頃からパイン街の入場が


規制されたって。冒険者でも、


メーンターク冒険者ギルドの


許可書無しでしか入れないらしい。」



杉谷

「用賀のやろう!なんで俺様達を


迎えに来ない!」


野波

「勇者全滅って噂だったからな…


俺達死んでる事に、なってるかもなぁ?」



旧田丸 則子

「パイン街まで、行く?


ネオフッカケ商会は、あてにならない…。


だけど、ここからパイン街まで遠いのでしょ?


どうする?」



杉谷

「なぁ? 昨日フロンと、ここのスパイと


あの側近のやつの通信聞いていたんだがな、


ヨーガ商店の軍事物資が、ここの倉庫に


隠されているらしいぞ!


後で用賀には、フロンから逃げるために、


使うしかなかった!とか言えばいい!


倉庫のものを、いただこう!」



担任・帆山

「うーん、このままだとスケープゴート…


止む得ないか…。」



旧田丸 則子

「いいんじゃない。やるしかないね。」


野波

「あの側近のやつのお茶に、


この睡眠薬を入れられたらな〜。」


杉谷

「どうやって手に入れたんだ?」


野波

「あの大邪神の封印の後遺症で、


寝れなって船医にはボヤいたら、


2つくれたんだ。一つ使ったけど、


全く味無しでよく寝れたよ。」



旧田丸 則子

「ふーん!私に任しといて!


あいつのティータイムはそろそろだから、


行ってくる!」



バタン!


残った男3人…


杉谷

「やっぱり、怪しいな。」



担任・帆山

「母親は、ヤバい宗教団体幹部らしい…


あの目、見たか…ヤバいぞ!」



野波

「3王女の言った事は、本当だったか…」



つづく…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る