第129話 C級ダンジョン「謎の回廊」攻略編3


 C級ダンジョン「謎の回廊」攻略編3



  つづきです。


 AI

「用様、早く止めをさしてください。」


 用

「おい!ハイコボルトキング!お前、なぜ本気を出さん!」


 ハイコボルトキング

「うるせー!これが今の本気なんだよ!殺るなら殺れ!もう痛いのは十分だ!」


 用

「やはりか!」


 AI

「用様?何かわかった事が?」


 用

「その、構えは天地天山流の第5の型・無明子だな。

 そして、その手の握り、前足の運びは………」


 ハイコボルトキング

「隙あり!」


 用

「無明返し!」


 ハイコボルトキング

「グフ!オエ~ゲホゲホ!」


 ハイコボルトキングの飛び蹴りは、見事かわされ背中に飛び上がった用の飛び蹴りがキングの背中に突き刺さる!


 ドサ!

 

ハイコボルトキング

「なぜ、こんなことに。」


 用

「昔、江戸後期、無敵と言われた武術家であり、陰陽師の方がいたらしい。

 クマを人差し指で昏倒させたという。

 しかし、不殺を貫き、大名からの呪いの仕事を断り、かなり大名達に煙たがられていたと言われていた。

 そして、家族を人質に取られて百鬼夜行討伐に無理矢理行かされたが、地面が光って、消えたという。」


 ハイコボルトキング

「………………」


 用

「その後、生き残った家族の子孫は、不殺を貫いて投獄されたりもしたけど頑張って道場を立て直し、

 今では、江戸!東京と名前が変わったけど、そこで頑張っているよ。」


「あなたの、その構えを見て姿はコボルトだが、細かい所までそのままだった。

 大俵 歳三さん。」


ハイコボルトキング

「あーーーーー!」


 コボルトキングの体から、黒いモヤと言うかゼリーみたいに濃く、ネバネバしたものが毛穴という毛穴から煙のように上に上がって行く。


AI

「邪気?そして、すごい濃い瘴気です。」


「クリア・ダーク!」

 

 用のクリア・ダークと、コボルトキングから出る特濃邪気とが衝突して白い火花が発生している。


 1時間の、せめぎあいの末……


 AI

「用様、今やっとコボルトキングのステータスが見えました!

 ブラックコフィンの呪いです。

 そして、初代召喚勇者の称号が確認しました。」


 AI

「今、ブラックコフィン本体の呪いの浄化が始まります。

 用様頑張ってください!」


「あぁ… そっくりだよ。

 総師範そっくりだよ、その姿。」


 コボルトキングが、うめき声をあげながらもがいていると時折、人間の姿になる。



 ハイコボルトキング

「逃げろ!

 わしが正気を取り戻している間に逃げろ!…」


 用

「(AIさん、あと残りの推定MP量はどれ位?)」


 AI

「とっくに、限界量超えてます!」 


魔神デス・トロイ

「主様、頑張って!

 コボルトキングの身体に、残っている邪気がもうすぐ無くなる!」


 用

「わかった!」


 いつものなら、冷や汗かいているはずの頃なのだが、今は、全くそんなことを気にせずスキルが撃てている。


 

 AIは、もしや!と思い聖ボロボーンの大神殿跡に置かれている数基の〔黒い棺〕を見ると、その内の一基が振動しているのが見えた。


 AI

「用様、振動している〔黒い棺〕を聖ボロボーン王国で発見しました。

 あと同じ振動をダンジョン内で探知しました。

 このダンジョンに〔黒い棺〕のうちの1つがあると、見ていいです。」


 用

「AIさん。

 サーチ出来そう?

 出来たとしても、あまり近づかないで!

 邪気でどんな存在でも乗っ取ろうとするだろうから、だいたいの位置がわかれば遠距離から、クリア・ダーク撃ち込むつもりだから!」


 AI

「用様、わかりました。

 ではスキャン方式ではなく、ソナー反響方式でやってみます。」


魔神デス・トロイ

「主!〔黒い棺〕が近くにあるなら、前に地下工房で作ったデザインの問題で倉庫行きになった、クリア・ダークを付与した腕輪とかの装飾品シリーズを、邪気がなくなった時点でコボルトに付けたらどうだ?

 そうすれば、再乗っ取りに対抗できるかもしれない。」


 用

「わかった!

 もうそろそろかな?

 人の姿に戻ってきたな。」


 ハイコボルトキング

「うァー!くうぅー!ウガー!」


AI

「邪気のコアが見えました!!

 用様、油断禁物です!爆発するかも!」


魔神デス・トロイ

「AIちゃん、MP回復ポーションの準備だ!

 主が飲んでる間、私がシールドを張る!」


AI

「スタンバイ入ります!」


魔神デス・トロイ

「?邪気が複数こちらに、移動してきている?

 あれ?変な大きな邪気が

 壁の向こうにあるような?」


…………………………

つづく



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