第101話 新素材合成に挑戦!その1
用は、下級ポーションを作るのに疲れてた。
やっと、冒険者・商業の両ギルド2街分4万本の生産が、終わったのだが、1つ問題が発生していた。
ポーションは、錬金術で作られたガラスの容器を入れ物にしているが、その材料は石である。
そして、ポーション製造のため街近くの石地帯が、きれいに無くなってしまったのてある。
環境破壊が起こってしまった!
領主は、道整備する手間が省けたとか言っていたらしいが、ポーション用ガラス瓶製造を慎重にしないと資源が無くなってしまう恐れが出てきたのである。
それに、まだガラス瓶はあるが帝国内の勇者達は5割位しか回復出来てないとらしい。
輸出用ポーションの製造は、まだまだしないといけない。
用は、ギルド納入分のポーションを収め終わると、1日休暇を取ることにした。
ポーション製造機を、全自動製造にしたいが材料が足りない。
ベルトコンベアー用のゴムとか、スライムの干したやつで代用しようとしたが、ダメだった。
どうしようと、悩みながら食堂に入る。
スパゲッティを注文して、テーブル席に座ったら、隣のテーブルでは男女のカップルがケンカしていた。
用
「うわ~。ぼ~としていて、とんでもない席に座ってしまったぞ。」
男
「なぁ、違うんだって!まさか宝石が偽物だったとは思わなかったんだよ!」
女
「じゃあ、なぜ同じ装飾の本物の宝石はめた指輪を、あの女に送ったの?なんで!」
用
(うわ~おにいさん、浮気したのかい!それは、ダメだよな~)
バチィーん!
女の平手打ちが男の顔にヒットした時、ここで用の予想外のことが起こった。
いや、異世界だからこそ起こった現象だ!
女のレベルが、男よりも高かったのである。
男は吹っ飛んでいき、食堂の厨房まで飛んで行った。
ドンガラガッシャーン!
アチー!熱い!熱い!
ドンガラガッシャーン!
ギヤー! ザボン!
串焼き用のタレまみれになった男がカウンターから運ばれてきた。
治療院行きだろうな~
浮気はダメよ。この国は一夫多妻制だろうけど、しっかりと話し合わないと。
しかし、ふと用の頭に何かヒントのようなものが浮かんできた。
◆偽物?
◆ビンタ!
◆焼く!
◆タレで、真っ黒!
?????
◇偽物→代替品?
つまり、ガラス瓶の代替品
◇ビンタ!→圧力→高圧に耐えればいい?
◇焼く→燃料にもなる?
◇真っ黒→?
何か思い出そうとして、またお腹が減ったので、おすすめパスタを頼む。
すると、イカスミパスタが出て来た。
コレだ!原油から、プラスチック製のペットボトルを作れば、ガラス瓶いらなくね?
用
「AIさん!」
AI
「用様、石油ですね。」
用
「なぜ、わかった?」
AI
「それは、思考共有もありますが、前召喚勇者も石油を探していたってデーターが残ってました。
最近から、天界から乗っ取られてた時のデーターログ解析結果が送られてきているんですよ。」
用
「なるほど!で、石油はこの世界にあったの?」
AI
「ありません!」
用
「合成は、天界法で合法なの?」
AI
「知識チートは、文明を壊さない程度ならOKみたいですね。」
用
「難しいな。環境破壊も法に振れるだろな。」
AI
「今、メールで質問したのが返信来ましたが、あの石地帯の荒れ程度はセーフでプラスチック製は生態経を破壊するからアウトだそうです。」
AI
「ただし、灯油とかガソリンは、よく似た魔獣の脂があるので、セーフらしいです。」
用
「石油ストーブはセーフなんだ!」
AI
「はい。だけど、魔石ストーブがありますので造る必要が……あ!」
用
「そうなんだよ。この国って冬がきついのだろ?
それに、スタンピード対応軍用に魔石が暖房に使われるから、この冬ヤバくない?」
AI
「前召喚勇者の時は、薪(まき)を使ったみたいですね。」
用
「あ!そうだ!牛乳パックはセーフなの?」
AI
「石油由来の製品でなければいいみたいです。」
用
「よし!スライム干しと、なんとか雑草から作ったセルロースモドキを使って、ナイロンモドキを作るぞ!」
AI
「作って、どうするのですか?」
用
「ポーション瓶を紙パックにする。」
用
「そうすれば、軽くなるのと四角だから輸送の時にたくさん詰め込める!」
しかし、いくら錬金術があるからって、現実的にはそんなに簡単に合成出来るわけがなかった。
新素材合成に挑戦!は続きます。
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