第95話 用さん、押しかけ女房から逃げられるか?


  続きです。


ゆみ

「ミルト様、そんなに貴方が気を病むことはありません!

 いえ!

 あなただけは、気を病むことはありません!」


ミルト

「?…え?」


「?」


ゆみ

「私は、今呪いから解き放たれてのレベルアップと、用様のおかげで大幅なスキルアップがあり!

 前バボン王とその一家にあったことがあるからわかりましたが、貴方はまず女性ですよね?」


ミルト

「!」


ゆみ

「そして王太子は別として、あなたは今の王の子ではなく前王と子爵様の5女ミルメ様との子ですね。」


ミルト

「母を知っているのですか?」


ゆみ

「はい、それも右のホクロのミルメ様だと思います。」


 ミルトは号泣し始めた。


 そして、何が王家に起こった腹が立つ悲劇を語りだした。

 今の王は、妹を自分の妻に頼んで娘として、大切に育ててくれたおかげで今の自分がある事を告白した。


「前王って無茶苦茶だろ!

 何考えてるんだ!王様ってだけで、やりたい放題やっていいわけないだろ!」


ミイナ・ヴァーミリオン

「その当時、隣国まで前王達の酷さは有名でした。

 姉がこの国から逃げてホロン王国の辺境まで逃げた原因でもあります。」


「ゆみさん?右のホクロの~って言ってましたが、左の方もいたの?」


ミルト

「私から、言います。

 当時、子爵5女ミルメは2人いました。

 しかし双子は不幸や不吉などと言われていた時代でした。

 なので社交会には代わり替わり1人として出ていました。

 違いはホクロの位置だったそうですが、実は付けボクロだったみたいです。

 右のミルメが第2王子?ミルト・ラ・バボンの母。

 左のミルメがホロン王国の3女ミルトの母です。」


「まさか…」


ミルト

「はい、そのまさからしいです。

 ホロン王国のミルトも、ホロン前王と左ミルメとの子です。

 左のミルメは現ホロン王の第2妃として生きてます。

 我が母、右のミルメも現王第2妃ですよ。」


「そういえば、この国って今は一夫多妻だけど少し前は一夫一妻だったって、まさか!」


ミルト

「現王達は法律を変えました。

 全伴侶の同意なく、妻は増やせませんが!」


「ふーん、責任感はあるのに、なぜあんなのが生まれたんだ?」


ミルト

「あんなの?ですか?」


ミイナ・ヴァーミリオン

「(結婚拒否)の二つ名をもつ女のことですね。

 まぁしかないですよ。

 それより、用様はミルト王子ならぬ王女の秘密を知りましたから、責任を~」



「そっそれって!あの」

(ヤバい!なんとか逃げないと!)


商業ギルド受付嬢マイナ

「マスター達!大変です!

 今、国家緊急事態宣言発令されました! 

 オーク・ジャイアントが出現しました!」


(これだ! これしかない!) 

「なに!オーク・ジャイアントだと!

 完全版スタミナポーションを開発しないと!」

(よし!これで逃げよう!)


 用は、まだ未完成の錬金研究室に閉じこもる事にした。





 危ない、危ない。

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