第59話 人を呪わば穴…


 少し時間をさかのぼって…



 聖ボロボーン王国


 国王マルトは聖なる神託の巫女達を、無理矢理国内のある厳重に警備された施設に、連れて来ていた。


国王マルト

「ここがどこだかわかるか?」


神託の巫女長

「国王様、お辞め下さい。それは、人に使うものではありません。」


国王マルト

「はん!もともと、お前たちが神託を降ろさないから、こんな事をしなければならないのだ!」


神託の巫女長

「だから何度も言いますが、神託とは降ろすものではなく、主が言われるから降りて来るのです。」


 ビシ! ムチが打たれる。


巫女

「う!う~」


神託の巫女長

「国王様、これ以上ムチを打つと死んでしまいます。」


国王マルト

「これ以上言うこと聞かないのなら、この言うことを聞かない召喚勇者達にかける罰である、ブラックコフィンを使うぞ。」


神託の巫女長

「国王様、それは勇者に使うものであつて、人間に使うものではありません。」


AI

(呪いの力のひもをたどって来てみたら!コイツら、勇者達を人間扱いしてないのか!

 ブラックコフィン?

 今ゆみさんのステータスプレートに表示されてる呪いか!

 この事も天界に報告!すぐに報告!)


AI

(用様がフルパワーでクリア・ダークを使いだしたとたん、あの黒い棺が揺れ出したな。

 嫌な予感がするから、緊急離脱開始!)


(AI「用様、もうすぐですよ、がんばって!」)


国王マルト

「見よ!お前達のせいで、ブリードル帝国から資金が全額来ない。

 ブラックコフィンも罰をあたえよと、仕事をしないお前達に言っておるわ!」


神託の巫女長

「そ、そんな!」


 その時、カタカタ揺れていた黒い棺の蓋の隙間から光が出てきて……


 ピカ!


 ジュッドーン!



 黒い塊が一瞬で、上空5000kmの白い雲の上まで上昇して、大陸中から見える大きな黒い雲が見えた。


 


各国では


「女王様、黒い雲が!」


「殿下!黒い雲が聖ボロボーン王国から出ています。」


 「偵察用の使い魔を出しましたが、魔素が乱れており、これ以上接近できません。」


 「フロン王女。聖ボロボーン王国ヘの通信ができません。」


「なんだ!あの邪気は…」


「Zzzzzz ッなんじゃ?」



 各国では、緊急会議が始まった。

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