第48話 死の森での特訓の成果



 AIさんとの話し合いで、クリア・ダークをモビルスーツの残骸にかけてみることになった。


 クリア・ダーク!光の柱がプラスチックの大きなモビルスーツ部品を起点に立ち上がる。

 用は冷や汗をかいていた。

 MPの消費量がハンパないのである。

 以前、街で失敗したワープよりも消費が激しくまだまだ足りない感が凄い。


AI

「用様、かなり邪気が剥がれていってます。もう少しです。」


 シュワ~

 炭酸飲料をコップに注いた時のような音がした気がする。

 そこには、普通のデカいプラスチック製のパーツがあった。


 スキルアナウンスがありクリア・ダークがレベル5になったらしい。

 部品をマジックリングに収納する。

 そして仮眠をとる。


 この繰り返しで、全部品回収に5日かかった。

 まだゴブリンジャイアントは寝ている。

 邪気のせいで、回復が進まないのだろう。

 

AI

「どうします?」


「クエスト猶予は後2日だったよね。1日休みたい。」


AI

「それより、あの街から脱出する道具も作らないと。」


 それからは、空間魔法の結界の訓練をしながら、錬金術道具を出してAIさんと各種ポーションや、変身の葉というアイテムなど作った。


 錬金術全般というスキルが使えるようになったらしい。

 夜になり、移動を始める。

 ギルド職員さんが焼いてくれたドライケーキが美味しい。素材は届けないと。

 朝方、森の出口近くの浅いところまで移動出来た。


 モンスターとの戦闘がなかったのは、かなり気配察知と遮断のスキルが使えるようになった成果だ。


 大型テントが3つあった。


 そして、顔を洗っているA級パーティー(鉄のドレス)と(カスミの雨)に(大剣のサビ)の面々がいた。


カスミの雨 リーダー・ボンロ

「テメー!やっと来たか!」


「なんだ、逃げ出した奴がなに偉そうに言っているの?」


カスミの雨 リーダー・ボンロ

「A級パーティー様になめた口きいた事を、ここでしっかりと矯正してやるぜ!」


カスミの雨の5人は剣や杖を構えて襲ってくる。

「まだ寝起きだから、寝ぼけているのかな?叩いたら起きるのかもな。」


 いいかげんコイツらには、腹が立っていたので、拳を握りこむ。


 試したい事あった。


 クリア・ダークを両手に維持して纏う。


 グベー!


 やはり!


 打撃の物理ダメージとか攻撃魔法ダメージは、なぜか俺の場合与える事はできないが、邪心の洗浄とかは効くらしい。


 効くとわかると、うれしいのと楽しいという感情が湧いてくる。


 クリア・ダーク! カスミの雨にスキルを撃つと……


 あっれ~? 光の柱は消えたけど、こいつらの目がキラキラと光っているのはなぜだ?


カスミの雨

「「「「「アニキ!」」」」」


用・AI

「「は?」」


 やばい!何かの扉を開いてしまった!

 しかし、それだけではなかった。

 他の2パーティー達の目もキラキラと光っていた。

 うん。邪心がなくなって、まともに話ができるようになったと考えよう。


 話を聞いてみた。

 防衛隊達は森の外で、監視と言う名のサボりをしていたが、モンスターに襲われ街に帰ったようである。

 そして、話し合ううちに俺達は、わかりあえた。


 「私達は、辺境伯様に取り入って貴族になろうとしていると勘違いしていた。ごめんなさい。」

 「俺達、最近は成果があがらなくてギルドからいろいろ言われて、無茶苦茶なクエストだとわかっていたけど断り切れなかったんだ。すまん。」


 「私達も、同じようなもんだ。申し訳ございませんでした。」


 謝罪は受け入れました。


 そして、森の素材をみんなで分けて納品しようとなった。


 俺の相談も乗ってくれて、皆win!win!な関係を構築出来た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る