第45話 死の森にて。



 用は、死の森に入ってゆく。霧が所々に立ちこめる中、用の後ろから付いてくる者達がいた。

 防衛隊から依頼を受けたA級冒険者パーティー(鉄のドレス)と(カスミの雨)に(大剣のサビ)である。

 さらに、防衛隊から数人と、暗殺者ジョブもちのスパイ達である。


 鉄のドレス リーダー・フェルト

 「おい!あんた、先に進むんじゃないよ。

 案内役の人間が先走ってしまったら、こっちが困るんだよ。」


 は?なに言っているんだ?

 案内役?

 そんな役受けてないぞ!

 こいつ等、A級パーティーだから俺を下に見て、勝手に役を押し付けてきたのか。

 

 ハァー、この世界にもいるのかよ。杉谷の取り巻き達で充分だよ。


 「案内役?なに言ってるの?

 あんた達が誰を雇ったか知らんが俺じゃないぞ。

 俺は、単独行動での採取クエストを受けた冒険者だ。

 人違いだ。」


カスミの雨 リーダー・ボンロ

 「はぁ!俺らはお前が案内役だと聞いているぞ、俺らの命令を聞け。」


 「誰の命令を聞けだって?

 勘違いが甚だしいな。

 複数協力パーティークエストだったら始めに顔合わせとかするだろ。

 お前さん達とのクエストとは、俺は無関係だ。」


大剣のサビ リーダー・アルナ

「確かに、あんたとは顔合わせしてないよね。

 だけど私達はあんたについていけって言われているのよ。」


防衛隊

 「我々は、あんたに案内してもらえって言われているぞ。」


 はぁ?あの小隊長にギルマスと領軍総長のやつ、あれほど単独行動でやるからパーティー組まないと言ったのに。

 これは、あの街から本当に逃げないといけないな。

 パワハラがまかり通ると信じている狂信者だな。


AI・(用脳内)

「用様こう言うときは、同じクエストについて行けないなら、早いうちに帰れ。

 辺境伯家とギルマスには同行者無しとの条件で受けている。とか言うのですよ~」


 言ってみました。

 そしてスタスタと前に進みます。


 ボンロ

「なんだと!俺達はA級パーティーなんだぞ」


 そんな大声出したら~ やっぱり恐竜達がやって来ましたよ~


 ボンロ

「うわ~!クソ!」


 パーティー カスミの雨が戦うが苦戦する。

 他のパーティーが加勢すると、カスミの雨は逃げ出した。

 他の2パーティーが苦戦する。


 スキル、ターン・モンスターを使う。

 無力化した10頭の恐竜達が倒れ込む。

 2パーティーがすぐにとどめを刺すが、やはり顔色が悪い。


 敵わなかったのだ。


 「ギルマスから聞いたが、この先はS級ランク以上の領域らしいぞ。

 俺も採取出来ずに逃げ回っていた記憶しかない。」 


 2パーティーに、このあたりの雑草みたいに生えているのが、上級回復薬の材料だと教えると採取を始めた。

 俺は、奥に行くと言って前に進む。

 防衛隊は2パーティーと行動を共にするらしい。


 しかし、暗殺者達は木の上を移動しながら用の後をつけていた。



AI

「ひつこいですね~」


「例のやつは、ゴブリンジャイアントの近くにあるんだろ? 急がないとな。」


 スタスタ歩いていく用を、暗殺者の持つ魔道具を通じて見ている辺境伯三女ミリ。


ミリ

「なんとかして、彼をこちら側に取り組まないと。」


ギルマス

「ブリードル帝国支部のギルマスからの情報は、今回勇者召喚された者達は黒髪の者達であったみたいです。

 間違いなく、ヨウ・ヨウガは被召喚者でしょう。」


 しかし、画像が乱れだす。暗殺者達からこれ以上前に進めないと言う魔道具通信が入った。


 

AI

「やっとついて来なくなりましたね。」


 実は、ミリとギルマスの会話はAIを通して用に筒抜けであった。


「ブリードル帝国って所に、あいつらがいるんだ。

 そこにも行きたくないな。」


AI

「このまま、前に行くと墜落現場です。」


そう、俺はペルト街で緑の巨人と呼ばれる物を探す為に、採取クエストを受けたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る