第53話 ※
今日は多少のトラブルはあったが大成功だったな。
この調子で薄利多売で稼げるだけ稼いで、最後に肉をまとめてギルドや肉屋に売り払えば──物価が元に戻っても問題ないはずだ。
計画通りだ。
『マップ』で確認した限り、オークはまだまだいるしな。
多少、上位種がいるのが気にはなるがゴンさんがいればなんとでもなるだろう。
後は孤児院に襲ってこられる可能性があるぐらいかな?
ドバンさんとジギルさんがいればこれも解決するはず。
しっかし、今日は色々と動いて疲れたな……。
ある程度、混乱するのはわかってはいたし、よからぬ輩が現れる事も折り込み済みではあったが──
まさかアルベルトさんの経営する孤児院に武器を持って襲ってくるとは思わなかった。
それだけ街の人がいっぱいいっぱいだったのかもしれないな……。
今回のお店でもう一つの目的である孤児院のイメージUPに繋がったはずだ。
日が経つにつれて噂は広がっていくだろう。
今日は肉をミーヤと一緒に焼きながら、常に『マップ』で赤い点を探して吊し上げて晒し者にしていた気がする……。
1番気を使ったのはサラさんだ。
サラさんには接客はさせずに監督をしてもらう予定だったんだけど──
まさか“男性恐怖症を克服する為に接客をする”と言い出すとは思いもしなかった……しかも超セクシーな格好してくるしさ……。
「ロキ君が協力してくれたら出来ると思うんです!」と熱く言われては断る事は出来なかった。
しかも、その協力ってのがまさか“快楽紐”だとは予想も出来なかった。
要は気持ち良さで恐怖心を紛らわせる方法だ。
ミカにやったのと同じ方法だな……。
ちなみにカオルさんは脱走をしようとするので“快楽紐”で封じた。
とても悪い事をしている気分になったが、大量に来る客を回すのに人手が足りなかったから頑張ってもらった。
ぶっちゃけ──効果は絶大過ぎた。
俺はまだ見慣れてはいるが、発情状態のサラさんとカオルさんに飯食ってる男衆は2人に釘付けだった。
こっちは『マップ』に赤い点が表示されないから、常に目を光らせなければならなかった。
触れようとする度に吊るすのは骨が折れたな……。
次回は噂が広まって、そっち目的で来る客もいそうだから警戒レベルを上げなければ……。
今日はとても頑張った。皆も頑張った。
なんでこんな事を言っているのか?
──現実逃避だ。
現実逃避に至るまでの話をまずはしよう。
さっきまで、今回の功労者であるサラさん、カオルさん、ミカにご褒美をねだられてマッサージしていた。
今回は趣向を変えた。
何をしたのか?
ひたすら焦らしまくった。まずは“快楽紐”で3人ともを継続的に気持ち良くさせて、敏感にさせ──
そして、マッサージで直接触って気持ち良くさせた。
この時、“快楽のツボ”付近はあえて触れなかった。
その結果──全員が物欲しそうな表情で喘いでいた。
いつも、我慢させられているのだ。これぐらいの仕返しは許されるはず!
そう思って、散々焦らした。
そして、途中でカオルさんがドMの可能性がある事に気付いた。
少し強めの言葉に反応するカオルさんが可愛かったので調子に乗った。
「これが欲しいんだろ?」
散々焦らした後、ツボ押しをすると──
「ゔあ゛ァァァァん──んん♡ ……」
獣のようや声を上げた後、昇天してしまう。
ミカも普段では絶対出さない声で吠えた後は「しゅき♡」とねだりながら昇天させた。
サラさんは我慢の限界のようで襲い掛かろうとしてきたので、前回の二の鉄は踏まないようにしっかり、紐で固定して力が入らないように“快楽紐”を発動させ──
“快楽のツボ”の2点攻めで昇天させた。
その時──
『さすが“性者様”! 本番無しでここまで出来るのは世界でロキ兄だけだ! ご馳走様♡ 快楽落ち3名様ご案な〜い★ これで3人はロキ兄無しじゃ生きられないね♪』
とヒメからメールが届いてハッ、とする。
正気に戻った俺は目の前の光景を見ると──
3人ともが、痙攣を起こしていて漫画でしか見た事がないような快楽落ちをしていたのだ。
こ、これは……もしかして……責任を取らなければならない案件なのでは?
『おめでとう★ これで将来は安泰だね♪』
…………悪魔の囁きだな。
よし──今後は自重しよう。
そう決意した時、「あ」という声と共に扉が開かれる──
「へ?! ミーヤ?!」
なんと、そこにはミーヤがいたのだ。
この時に初めて防音の魔道具を使用していないことと、鍵を閉めていなかった事に気付いた。
そして、俺は固まった。
『ざまぁ(笑)』
お前絶対知ってたよな?!
知ってたなら教えろよなッ?!
どうすんだよこの状況?!
『調子に乗ってると天罰が降るのさ★』
ぐぬぬ……。
この状況をなんとかして切り抜けなければならない。
ミーヤは俺の癒しなのだ。
なんとか誤魔化さなければならない。あの優しいミーヤに変態を見る眼差しをされるとか耐えられん!
『必死過ぎて草。心境は浮気現場を奥さんに見られた感じだ(σ゚∀゚)σ』
うっさいわッ!
その顔文字やめぃッ!
ミーヤをよく見れば、片手を股間に当てていた。
どこから見られていたかはわからないが、“○ナニー”をしている事からほとんど見られていた可能性がある。
俺を見る目は──
『雌の目だ』
──……うぉいッ! 俺の心の声に言葉を被せるなよッ!
しかも言い方ッ!
これは……正直に言うしかないかも……。
「ミーヤ」
「ロキ君……皆にナニをしてるの?」
カタカナで“ナニ”と聞こえてくるのは俺が汚れた人間だからなのかもしれない。
「マッサージをしていたんだ……」
「……嘘だよ。きっと子供を作ってたんだ!」
グハッ……。
ミーヤの純粋な言葉は俺に大ダメージを与えてくる。
そうか……子供作っていたと思われていたのか……なんとしても誤解を解かなければ。
「本当なんだ……俺のマッサージにはこうやって気持ち良くする効果もあるんだ……」
「……本当?」
「あぁ、俺は──間違いなく子供は作っていないし、作ろうともしていない。──神に誓おう」
『うむ。エロい事はしているが、決して子供は作っていない( ˘ω˘ )』
お前には言ってねぇよッ! お前は“元”女神なんだろ?!
あと、顔文字やめろ!
「じゃぁ、やってみて」
「…………え?」
ミーヤの言葉に俺は固まる。
え?
大人しいミーヤにエロマッサージすんの?!
しかし、ここで証明しておかなければ後々言いふらされて厄介な事になるかもしれない……アルベルトさんからの教育的指導とか死ぬ未来しか見えない。
口止めする為にも必要か? 最悪は快楽堕ちすれば黙っててくれるか?
『思考がカスだな♪』
お前が存在を教えてくれてたらこんな事にならなかったんだよッ!
「……私の事嫌い?」
あぁ、我が癒しのミーヤさんが泣きそうだ。
やっぱりやるしかない。
「わかった。じゃあ──そこのベッドに横になって」
「……うん……」
俺はマッサージを開始する──
────
────────
────────────
「確かに、ンン──気持ち…良い……ですね♡」
予想外にミーヤは初めてだというのに普通に話せるぐらいには耐えていた。
確かに弱めにはしているが、これには驚いた。
まぁ、これで誤解は解けただろうと思って「サラさん達はこれが癖になってるだけなんだ」と言ってマッサージを止めると──
「止めたら──言いふらしますよぉ? というか、手を抜いてますよね? 3人にしたぐらいでやって下さい」
普通に脅されてしまった。
しかも、手を抜いているのもバレている。
これなら6人目の被害者にはならないかもしれない。それにミーヤは真面目な子だ。きっと満足するまでやれば黙っていてくれるだろう。
俺は3人にやっていたようにする事にした。
しばらくすると──
「あ、ン……ンン…りゃめ……ひもちよしゅぎる♡ もっとぉ♡」
ミーヤの喘ぎ声が木霊した。
それでもかなり耐えている方だ。
ツボ押しもしているのに意識は手放していない。
それどころか、更に気持ち良くなろうと自分でも体に触れていた。
ぶっちゃけ、ミーヤがもう少し大人であったなら俺は襲っていただろう。
他の快楽堕ちしたメンバーとは違い、声はそんなに大きくないが、感じるのを耐える姿がエロ可愛いのだ。
指を咥えておねだりもされてしまった……なんという天性のエロさだ。
しかも、初めてなのにサラさんを超える耐性持ちとは恐れ入る……。
「これからは──仲間外れにしないで下さいね♡」
「あ、はい……」
快楽堕ちしたのか、しなかったのかは不明だが、これからはミーヤにもマッサージをしなければならなくなってしまった──
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