ポテチと指

 ポテトチップスを食べていた美香は、全てを食べ終えると指を舐めた。

「美香ってば、はしたないよ」

 博美がそう言うと、彼女は口をとがらせる。不満がある際によくやる癖だ。

「じゃあ、どうやって指に付いた塩を取れって言うのさ」

「そのぐらい、わかるでしょ?」

 美香は頭をふらふらと左右に揺らしながら、少し考えていた。

 博美はそれを見て、すぐに答えの出てこない美香のバカさ加減に呆れていた。

「わかった!」

 美香はそう言って、博美に塩の付いた指を差し出した。

「舐めて~」

 博美はにっこり笑ってその指を舐めてやると、美香が真っ赤になって指を引っ込めた。

「どうしたの?」

 博美が勝ち誇るようにそう言うと、美香は顔を逸らした。

 横からほんの少しだけ見える真っ赤になった頬が、おかしかった。


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