第3話 火傷をスタローン魂で治してみる 終~正しい火傷の対処法
と言う訳で、正しい火傷の対処法を書いておきます。(朝樹さんより
決して、自宅で前記のような方法は取らない方が望ましいと思われます。
湿潤療法で治したいから、と言って病院を嫌う人もいますが、現在の被覆材は湿潤療法に近い物もありますので、医師に言えば可能な限り希望に沿ってくれると思います。
命にかかわりそうな広範囲熱傷は、黙って医者の言うことを聞いて下さい。
①救急外来では、まず相談電話があった時点で乾かさない様に清潔なタオルを水に浸してから創部に当てて車で来るように言います 。やけどの原因にもよりますが、深そう広そうなら救急車で。
創面に直接氷やアイスノンはNGです。必ず濡れたタオルなどを間に引いて下さい。乾かさない事が重要です。病院まで遠かったらペットボトルにでも水を入れてタオルに追加で濡らしながら来て下さい。
②熱湯で面積が狭かったりする場合は消毒薬の刺激も避けた方がいいという説もあり、保護材を貼って終わりと言うこともあります 。私の病院ではハイドロサイト(商品名)と言う保護材を使っています。ハイドロポリマー(一般名)という、一見ガーゼ状に見えるけど 浸出液に濡れるとゼリー状になって傷をふさいでくれるという優れモノもあります。
③うちの形成外科の先生の一押しは「エスアイエイド」(商品名)と言う被覆材です。
創面がシール状になっているので貼りやすく、一回貼ったら、剥がれるまでそのままでそのままでOKです。感染して浸出液が増えてきたりしたら剥がれちゃうのでそうしたらまた処置が必要です。これは箱単位だけど市販されていたんじゃなかったかな?
ちっちゃい火傷ならキズパワーパット(商品名)も有効です。
④ワセリンなどの軟膏については、塗った方がいい場合と悪い場合があります。毎日の処置が出来る場合は
使ってOKですが、貼りっぱなし派の人は、塗った軟膏が感染源になる場合があります。
ステロイド系の軟膏を塗ると炎症を押さえてくれたりするのですが、これは病院の判断に任せましょう。
⑤直火焼きにしてしまった場合、素直に病院へ行って下さい。直火焼きが一番酷いことがあります。
更に最悪熱い温度の煙や火を吸いこんでしまうことがあります。
一瞬のことなので、本人も気がつかない事があったりするのですが、火傷で一番怖いのがこの気道熱傷です。段々と一瞬でも焙られ
た気道が炎症を起こして気道をふさいで息が出来なくなります。
こうなる前に潔く救急車を呼んで下さい。
気道熱傷にはスタローンでも敵いません。
以上、「男前な患者さん(七沢ゆきのさん)に送る、救急外来看護師からの無難な外傷処置の方法」でした。
……と言うお話を聞いた後、更なるネタが送られてきました。
ゆきのさん…… 何てネタの宝庫なんだ……。
……三途の川巡り、つづきます。
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