ε 本物
「やばいよ、なんか明らかにおかしいやつがここに来る!」
芝居掛かったヤツに殴りかかろうとしたら、床から人が出てきた。いや正確には生えてきた。いやいや生えてくるか?普通。でももう止まれない。その人ごと殴ろう。
「で、この人が入ってくれないっていう人?」
「っ!?」
気付いていたのか。じゃあこいつが図書館を動かしてるやつか。よし、こいつも殴ろう。
突如として辺りが白い光に包まれた。光の中心部に人影が見える。誰だ?
「ここがジャパンか。リーダー、本当にここにあるのか?」
「あぁもちろんだよゲイブ。こここそが聖霊初臨の地、ミーの求めたものがある」
「ていうか、薄暗過ぎるんですけど。もっと明るい場所がいい」
外国人......?なのに何故か言葉が分かる。なんでだ?
『聖霊同士なら、意思のある言葉なら分かるんだぞ?知らなかったのか?』
なるほど道理で。これで外国に行っても大丈夫だね!
「たぶんあそこの少年がそれだ。ゲイブ、捕まえて本国に」
「yes sir」
その言葉が聞こえた同時に、ゲイブと呼ばれた男の姿がかき消えた。
直後に、自分に向かって振り下ろされた腕を見ながら、僕は全く関係のないことを考えていた。
あぁ、このあいだのパンは不味かったな、と。
知恵の聖霊 光之空 @light-hikari
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