終わり無き物語を今君に──
Xy_
まだ私の番
鉄格子の窓から湖へ沈みゆく夕日を、
私が欠伸をする度、くしゃみをする度周囲の人間は腰に添えた剣に手を添える。どこを向いても誰も彼もが目を細め睨みつけてくる。ここに知ってる人なんて誰一人居ない。居心地が悪い。
護送車はゴツゴツとした斜面を登っているのだろうか、後ろに傾き揺れが激しくなる。空気が暑くなり硫黄の匂いが漂い息が苦しくなる。みんな口を布で覆っているが、意識が朦朧としている人もいる。
護送車が止まる。複数の剣を突きつけられながら私は下車した。黒いレンガで積み上げられた施設、その向こうに立ち込める煙の元が私の目的地。
手錠を頭上の鎖に巻き付けられる。鼻から喉を、喉から肺の奥を焼く熱さがこれから起こる全てを物語っている。3歩先を見下ろせば、灼熱を発する溶岩がこちらを見あげている。
不敵な笑みを浮かべて私は発する。
「今度こそちゃんと」
私を殺してね───
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