第13話 説明 レリア視点(1)
「ベルティーユ様が何を仰っているのか? そちらを端的に申し上げますと、日常の完全崩壊について言及されているのですよ。貴方がた親子のね」
突如この部屋に現れた、シリル・アドレルザ様。予想外の人は、更に予想外なコトを仰られた……。
わたくしたちの、にちじょうが……? かんぜんに、ほうかい……?
「ど、どうして……。どんな――そんな、ことに……?」
「そうなってしまう理由は、レリア・ヤテリネとヤニク・ヤテリネが再び一線を越えてしまったから。先日裏世界の住人達に依頼を行い、ベルティーユ様を傷付けようとしたからですよ」
なっ!? わたくし達の計画を、知っている……!?
「な、何を仰られているのでしょうか……? 思い当たる節がございませんわ。何か、大きな勘違いをされているのではないでしょうかっ?」
「いいえ、勘違いなどしてはおりませんよ。僕は貴方がたが及んだと、確信しております」
「……アドレルザ様。なぜ、そう断言できるのでしょうかっ? わたくしは潔白でして、悪意など持ち合わせはおりません。貴方様が明言されている事由を、お教えくださいませ」
おもわず狼狽えてしまったけれど、彼らへの依頼は仲介の仲介を経て行っている。クライアントを辿られないように細心の注意を払ったのだから、問題ない。どこで何に気付いたのか知らないけれど、絶対に誤魔化しきれる。
そう思い出したため落ち着きを取り戻し、冷静にブルーの瞳を見つめた。
「わたくしには――わたくし達は何も行っておりませんので、容易に疑惑の否定を行えます。そちらをこれより体現いたしますので、明言される理由を仰ってくださいませ」
「畏まりました。その理由ですが、それは実行犯の捕縛にあります。実を言いますと昨夜不審な動きをする者21名を拘束し、彼らは『ベルティーユ・レビックスの顔を傷付けろ』との依頼を受けたと吐いたのですよ」
! そ、そんな……! わたくし達が雇った人間は、全員捕まってしまっている……!?
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