フツメンの俺に美少女達が迫って来る。なんで?!俺は平穏に学校生活送りたい

@kana_01

第1話 プロローグ


始まりました。

宜しくお願いします。


―――――


 俺は神城雫(かみしろしずく)。女の子っぽい名前だが、父親が可愛い名前がいいと言いて付けた名前だ。


 今年この地域では有名な進学校大竹高校に入学した。入学してからは高校生活を平穏に過ごす為、目立たない様に注意している。もちろん陽キャではないが陰キャという程でもない。


 今日も家を出て駅に向かっている。高校は、最寄りの駅から四つ程行ったこの辺では一番の街に有る。


「おはよう雫」

「若菜か、おはよ」


 下坂若菜(しもさかわかな)。俺の幼馴染。家が隣で、幼稚園、小学校、中学校とずっと一緒だ。いつも側に居る。身長百六十センチ、茶髪ショートヘア、クリっとした大きな目にすっとした鼻と可愛い唇、少し丸めの細面、胸が大きい。


「雫、部活決めた」

「決めてない」

「テニス部に入ろうよ」

「やだ」

「いいじゃない。中学の時も一緒だったじゃない」

「いやだ」

「じゃあどうするの」

「考えている」


 若菜は、中学一年からテニスを始め、生来の運動神経の良さから二年生でレギュラーを勝ち取り県大会まで出場している。


 俺は付き合いで入ったが、三年間やってレギュラーになれなかった。運動能力が若菜ほどない。だから高校になっても運動部に入ろうとは思っていない。


学校の有る駅を降りて十分の歩くと大竹高校に着く。

「雫、じゃあね」

「ああ」

 若菜はA組、俺はB組だ。下駄箱で別れると俺は教室に入った。俺の席は窓際の一番後ろの席。席順決めのくじでここを引き当てた。


 鞄から教科書を取り出して机の中に入れ、空の鞄を机の脇のフックに掛けると斜め前の席にいる男がいつもの様に

「雫、おはよ」

「おはよ、良太」


 川平良太(かわひらりょうた)。俺の中学からの友人。身長は百七十六センチあり、俺より少し背が高い。運動神経が良く頭もいい。その上イケメンでモテる。こいつを見ていると世の中不公平だと思わざるを得ない。教室ではいつも一緒に居る事が多い。


「なあ、下坂さん、どのクラブに入るか言っていたか」

「知らん。興味ない。自分で聞け」

「中学と同じテニスだと思うんだけどな」

「俺は知らない」


 入学してからまだ一ヶ月も経っていない。クラブなんてその内決めればいい位に思っていた。若菜が直ぐテニス部に入部届を出さないのは俺の知らない事だ。


「なあ、またお前の事見ているよ早瀬さん」

「お前だろ。嫌味か」


 早瀬真理香(はやせまりか)、身長は若菜と同じ位。腰まである艶やかな黒髪と目が切れ長で長いまつげ、スッとした鼻に小さな唇、細面の超美人、胸もある。廊下側の中程の席に座っている。家がお金持ちでお嬢様だという噂を耳にしている。


 俺はあえて見ない様にしているともう一つの視線に気が付いた。

 この学校に入学できたのは良かったが、あいつも入学するのは分かっていた。俺が今一番会いたくない女の子だ。まさか一年から同じクラスとは。


 東条優里奈(とうじょうゆりな)、早瀬と同じように髪の毛が腰まであり、目が大きく、すっとした鼻、可愛い唇に細面だが、必要な事以外口にしないその性格に早くも氷の美人と呼ばれているらしい。頭が良く新入生代表答辞をしている。


 そちらも無視をして良太と話していると担任の先生が入って来た。ラノベなら可愛い先生辺りになるだろうが、この教室の担任は、眼鏡を掛けたゴジラの様なおじさん西泉願力(にしいずみがんりき)柔道部顧問だ。


「お前達も入学して一ヶ月近くになる、入部届を顧問の先生に提出するように。後、連休開けてから直ぐに中間テストだ。連休だと浮かれずに勉強しとけよ」


 この学校は文武両道を謳い文句にしている手前、一年生は必ずどこかのクラブに入らなければいけない。だが、誰しも運動が好きではない事を考慮されている。


 それは学校の役に立つ役割、つまり生徒会、図書委員、文芸委員それに数学クラブだ。数学クラブが有る理由は単に校長の好みによるものらしい。


 午前中の四限が過ぎチャイムが鳴った、昼食の時間だ。


「雫行こうぜ」

「おう」


お弁当などという贅沢な物はなく、当然二人で学食へ。

ヘルシーなA定食かボリュームのあるB定食、後はラーメン、うどん等ある。俺には十分なメニューだ。


「おっ、今日のB定はから揚げだぜ。決まりだな」

「それしかない」


 二人で定食の載ったトレイを持って空いているテーブルに着くと早速から揚げを口に持って行こうとした時、


「私も此処に座っていい」


二人で顔を見上げると下坂若菜が立っていた。

「なんだ、若菜か、良太いいか」

「いいよいいよ。下坂さん、どうぞどうぞ」


 こいつは若菜になんか遠慮している節がある。中学時代は同じテニス部。普通に仲が良いはずなのに良く分からん。どういう事だ。


「どうした若菜、いつもの友達は」

「用事があるって言われて」

「そうか」

「下坂さんお弁当ですか。美味しそうですね」

「はい。雫食べる」


おいおい、その流れは良太に言うだろう。良太ががっかりしているぞ。


「いいよ、良太にあげれば」

「やだ。雫ならいい」

「お前なあ、良太とだって付き合い長いだろう」

「別に。中学時代一緒だったと言うだけよ」


 私は川平良太という男を好きではない。イケメンで身長もあり、他の人にも優しいが、中学時代同じテニス部だった時、なぜかやたら近寄って来ていた。だから嫌いという程ではないが良い思いは持っていない。


「ご馳走様、じゃあ先に行くね。雫、川平さん」

「ああ」


「なあ、なんで下坂さん、俺に冷たいの」

「さあ?お前心当たり無いのか」

「ない。ところでまた雫を見ているよ東条さん。ここの所ずっとだぜ」

「お前が気に入っているんじゃいか。お前もてるじゃないか」

「いやあ、あれは俺を見ているとは思えないが」

「俺に心当たりはない」



 午後の授業も終わった。いつもだと若菜が迎えに来るが、今日は友達と用事が有るというので、俺は一人で帰る事にした。良太はテニス部に入ると言って見に行っている。


 校門の所に行くと人の流れが少しスローだ。あれっと思っていると学年一の美少女早瀬真理香が立っていた。


 なるほど、理由はこれか。誰か待っているのかと思いながら通り過ぎようとした時、


「神城さん」

と言って俺に近付いて来た。


「何か」

「一緒に帰りませんか。少しお話をしたくて」

「…………」



―――――

第7回カクヨムコン応募中。アクセスご評価頂けると大変ありがたく思います。


物語が始まりました。

次回をお楽しみに


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。


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