枠しかない人型で生きている

食連星

第1話

雑食よ.

基本.

何でも食べなくちゃ,

美味しいか美味しくないか分からない.

それでいいんだと思うんだけど.

法則に囚われる.

常識じゃあ,

倫理観は,


ごちゃごちゃ

うるさいよ.

仕方ないよ.

だって体が欲してる.


穴埋めしてる.


脳の穴を知識で塞いで,

目からは綺麗なもの見て,

耳の穴を心地よい言葉とメロディーで,

鼻の穴から綺麗な空気吸って,

口からは美味しいもので満たして,

後は…

好きに想像してみて。


だけど,

空きっぱなしだから,

駄々洩れ.


何度も満たそうと努力する.

お涙頂戴だ.

お金かけて

時間かけて

なだめて

すかして,

無理矢理手に入れるか.


あーあ,

何やってんだか.

面白いくらいに,

笑える.


何か良い事無いか.

探して,

探して,探して,

束の間の幸せを見つけて,

満足する.


あ~皆一緒よ.

大なり小なり

小なり大なり.

楽しい世界.


誰しも本能や生理的欲求の前には,

首を項垂れて正座するしかないのさ.

面白いね.

リビドーに忠実なしもべ.

あなたがどんな声で鳴くのか.

ただ,そんな事が気になるだけ.

時には鳴き声だって気にならず.

ただ捌け口は,どこだって血眼.


出てった要らないもの

集めてこねて造形して.

排泄した後,

何か作り上げて

満足するかのように.

おかしな正解がある

世界.


正しいんだよって思い込んで

正しくない事をする人も,

これおかしい事なんだよって

おかしい事する人も,

皆一緒くた.


ちょっと疲れて

よく分からん事する位が

ちょうどいい.


正気で

頭揺れる事

するのって

滑稽.


見つけたと思って

見失って,

つかまえたと思ったら

紛い物だったり,

頭打ちつけて

あなた誰?

私誰?

するには遅すぎて.

おしりに火が付いたって

冷やす頭は首無し事件.


ただ寂しいって

呟いたって

叫んだって

ただ人型の風船.

ふらふら漂って

お祭りパンダ.


キラキラ光ってるもの

だけの世界.

じゃないんだって

言った所で

空中分解.


かき集めて

出来上がらないものを

作りましょ.

だって中身が無いんだもの.

同じように作って

動かして

躍らせてみましょ.

そう並べて

番号付けて

どの順番にしちゃおうか.


楽しくないのに

笑って

やり過ごしましょ.

どのうち,

もう同じ世界.


あぁ指令室は

どこだろう.

乗り込んで

言ってあげるのに.

言葉にならない叫びを

届けて

時がきたら

弾けるのに.


泣けてくるのは

きっと

まだ,

頑張れるから.

勘違いできるから.

だといいねぇ.


あなたはどこにいる.

私はどこにいる.

境界線は

あって無いようなままで.


張り切って

叫ぶ喉は

もう

砕けてる.




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