Film 14. 『ミッドナイト・イン・パリ』

 2011年のアメリカ映画(スペイン製(ロケ地はパリ))。1時間33分(短め!)。

 物書き・芸術家垂涎! 一生に一度、偉大な憧れの人たちに会いに行こう。


 時は2010年。ギルはハリウッドの脚本家だが、小説家になりたかった。

 婚約者のイネスは口では応援してくれるも白い目。彼女の家族や友人とも馬が合わない。憧れの地パリへ旅行へ行くも、友人らと遭遇したイネスに放り出されてしまう。

 夜中のパリを一人寂しくさまようギル。そこへ通りかかるクラシックカー。パーティーがあると誘われ、思わず乗り込んで辿り着いた奇妙な酒場に……フィッツジェラルドがいた。


 突然ですが、「1920年代」をご存知ですか!?

 芸術の都・パリ、最盛期が一つ! ガートルード・スタインがサロンを開き、パブロ・ピカソ、サルバトール・ダリ、コール・ポーター、フランシス&ゼルダ・フィッツジェラルド夫妻、そしてアーネスト・ヘミングウェイが、一堂に会すがごとく同じ地で活動していた、信じがたい芸術の黄金時代!!!

 この物語では、しがない小説家志望の男性が、その黄金時代のパリへタイムスリップ! あらゆる意味で雲の上の芸術家たちと邂逅かいこうし、言葉を交わす、夢のような時間がくり広げられるのです!


 想像したことがあるでしょうか? 時代考証を無視して日本でいえば、目の前に芥川龍之介や太宰治がいる光景。石川啄木があっちで銚子を傾けている。与謝野晶子と窓辺に腰かけ、宮沢賢治と山野を散策する。

 あまつさえ、夏目漱石が君の原稿を見てやろうと言ってきたら?


 芸術家、文筆家ならとても正気を保ってはいられないでしょう。それとほぼ同じ出来事が、ギルに次々と起こるのです。掛け値なしの魔法のような時間!

 パリの美しい景色と時代がかった暖色の灯りが、その瞬間をより華やかに彩ります。(最高のパリ観光映画でもあります)


 クリスマス映画ではありませんが、一生に一度、本当に起こるなら、物書きにとっては最高のプレゼントに違いないでしょう。

 ヘミングウェイに背中を押されてから、年を越してみませんか?


 さあ、あと6日です! それではメリークリスマス!

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