Film 7. 『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

 2007年のアメリカ映画。1時間57分。R15+。

 復讐に燃える理髪師の狂気に満ちたゴシック・ホラー・ミュージカル。


 舞台はヴィクトリア時代のロンドン・フリート街。海から帰ってきたのは一人の理髪師、ベンジャミン・バーカー。

 彼はかつて美しい妻と娘と暮らしていたが、好色な判事によってすべてを奪われ、無実の罪で流刑に処された男だった。

 男はスウィーニー・トッドと名前を変え、再び理髪店を始める。目指すはロンドン一の理髪師。有名になれば判事も髭をそりに来る。そのとき復讐は果たされる。

 しかし、食うにもあえぐ貧困のフリート街で、客を呼ぶ策を講じあぐねるトッド。すると、階下でミートパイ屋を営み、彼の正体を知るミセス・ラヴェットから、ある提案を持ちかけられる。それは世にも恐ろしい、狂気と邪悪に満ちたアイディアだった……。


 クリスマスは一回休み!? いいえ、クリスマスにホラーを観たっていいじゃない!

 昨日紹介した『シザーハンズ』からの繋がりです。監督ティム・バートン×主演ジョニー・デップの名作タッグが送るミュージカル長編!


 そう、ミュージカルなのです。公開当時も絶賛されたジョニー・デップの邪悪で力強い歌声が全編を彩ります。助演・ラヴェット夫人役、ヘレナ・ボナム・カーターの多才さを感じさせる歌唱力も光ります。(なので字幕版推奨)

 そしてティム・バートン作品なので、世界観を引き立てるビジュアルと衣装がまたステキ! ヴィクトリア朝の時代ですのでがっつりゴシックです。好きな人にはたまらないことでしょう。


 忘れちゃいけないのは、これは狂気のホラーストーリー。

 燦然と輝くR15+のレーディングが示す通り、残酷と悲哀と、なにより血と肉に満ち満ちています。ブラッド・アンド・ミート。ほとばしるエコロジー。真っ赤なサンタクロース。コカ・コーラはなんてことをしてくれたのでしょう。男性はしばらく散髪に行けなくなるかも(笑)


 毎年同じクリスマスはもう飽き飽きな人、だからって『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』も観飽きちゃった人、ぶっちゃけハロウィンの延長戦がしたい人、あるいは昨日の『シザーハンズ』のついででもいいでしょう。おだやかな時間に強烈なアクセントはいかがですか?


 そんなこんなであと13日! それではメリークリスマス!

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