第15話
二度目の桜子の病室。
あの時と変わらず、彼女はたくさんの管に繋がれていた。
でもそれは、あなたを縛り付ける鎖なんかじゃないんだね。
繋がれた管の分だけ、あなたは必死に生きている。
桜子は、まだ生きているんだ。
真っ白で華奢な手を取って。
そっと、小さく口づけをする。
「……王子様って、こんな感じかな?」
私はまだ、私自身の気持ちに整理がついていない。
でも、あなたを想う気持ちは、誰にだって負けない。
本物だよ。
だから話をしたい。
話して、お互いの気持ちを確かめ合いたい。
日記じゃなくて、直接、桜子の口から聞きたいの。
私もちゃんと話すから。
だから、どうか今を諦めないで。
何度だって、手を伸ばすから。
「遅くなってごめん、迎えに来たよ」
どうか、私の手を取って。
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