夏越述べる ~入れ替われる家族の末っ子の彼女と俺のダーク現代ファンタジー~
小早敷 彰良
プロローグ
彼、湯本京介の住む東京のマンションに、引っ越しの挨拶の習慣はない。学校が同じでなければ、隣家に住んでいる人の名前は知らないのが普通だ。
だから京介が上の階を借り切っている大家族の末っ子の顔を見たのは、彼らが引っ越してきて、転校生だと紹介された小学校でのことだった。
彼女は奇妙な人物だった。だから、彼ら夏越家が、全員おかしな秘密を抱えているらしいと気づくのに遅れた。
高校三年生の今では、京介は夏越家が、全員体を共有している一家だと知っている。
両親に話しても、信じてもらえない話だった。
上の階に住む夏越志和は、自由に入れ替わることのできる一家の末っ子で、最近自我が芽生えた存在なのだと、京介は誰にも信じてもらえていない。
それはそうだ。そんな人知を超えた存在がいるなんて、誰も気づけないだろう。彼女は京介にとっての一番になったのだと、小学生のときの自分に言ったとしても信じないのと同じくらい、当たり前のことだ。
この小説は、夏越志和と湯本京介の関係について、小学五年生から高校三年生まで何があったか、述べていく小説だ。
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