報告その5

 こんにちは。小林卓也です。

 新しい報告があります。五年生の村田くんが謎を見つけてきました。校庭のすみっこにはえている木につけられた名札が変だという謎です。


 ぼくたちはさっそくその木の名札をたしかめることにしました。あんない役は村田くんです。みんなで村田くんのあとについて校庭のすみっこにむかいました。そこには三本の木があって、ぜんぶの木のちょうどぼくの胸の高さの所に四角い木の札がかけられていました。木の札には「ナツメ」「カリン」「サクラ」と書かれていました。ぼくには何が変なのかよくわかりませんでした。でもそれを見た花崎さんはすぐに「変ね。」と言いました。理由を聞くと「サクラ」だけは合ってるけど、「ナツメ」と「カリン」はまちがっていると言うのです。村田くんが「やっぱりそうだよね。」と言いました。くわしく話を聞くと、三本の木はぜんぶ桜の木なのだそうです。それなのに「ナツメ」と「カリン」という名札がついているのはおかしいということになります。花崎さんもまちがっている理由はすぐにはわからないみたいでした。


 ぼくはこの謎に「三本桜 謎の名札事件」という名前をつけて、探偵団で取り組むことにしました。そして木を見にいってから四日もたちましたが、まだ謎はかいけつできていません。でもあきらめずにがんばります。F先生はこの謎がかいけつできそうですか。また手紙を書きます。

 それではさようなら。


                          小林卓也


 追伸

 花崎さんに、F先生の推理が合っているかどうかをたずねてみました。

 すると「大はずれ」と言われました。「わたしが花さかじいさんのげきのことを知っていたのは、児童会の副会長をしているからだよ。」ということだそうです。ぼくは、花崎さんが花さかじいさんのげきのことを知っていた理由が少し違っていただけで、F先生の推理はだいたい合っていると思いました。だから大はずれは言いすぎだと思います。

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