♡ おっぱい道路♡

x頭金x

第1話

「もし神様だったら何したい?」


 高校からの帰り道、自転車に乗って残り少ない黄色い葉っぱを枝につけたイチョウ並木の間を通っていると、吉武がそうたずねてきた。


「え?ああ、とりあえず道路を全部おっぱいで埋めるね」


 と僕はそう答えた。


「きしょ!!なんやそれwww」


「この今通ってる所もおっぱいやけん、チャリ乗りにくくてしゃあない」


「チャリとか人が踏んだりして、めっちゃおっぱい汚くなるやん」


「それは大丈夫。小人達が道路の近くに待機していて、汚れた所から片っ端に掃除してくれんねん。ほら、バスケの、コートが濡れたら拭いてくれる係の人がおるやろ?そんな感じで」


「小人が掃除中に轢いてもうたらどないするん?」


「その心配はないわ。小人は蟻並みにちっちゃくて頑丈やから、平気」


「蟻に食い殺されるやん」


「蟻と小人はめっちゃ仲良しやねん。交尾もできる仲や」


「きも!何が生まれるん?」


「……えーのが思いつかんわ」


「ボケから逃げんな」


「……蟻人…いや、なしや、今のはなしや」


「え?なんて?聞こえんわ〜、蟻?人?え?よ〜聞こえんわ〜」


 冷たい風が吹いた。12月、本格的に季節が冬を告げる風だ。凛として、引き締まっている。


 僕は少し赤面して吉武にうるさいボケーと言った。こんなバカみたいなことを言い合う日々もあと少しで終わりを告げることを考えていたら考えたくないと僕が言ったので、考えないようにした。


 

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