異世界下剋上

岡山ユカ

プロローグ 突然の召喚要請

 …あら、こんにちは。

 いえ、初めましてと言うべきですね。

 「わたしの名前はルキア・ラルです。作者代理です。今回も物語を読んでくれるのですか。ありがとうございます。…そうそう次からの近況ノートや裏話は全て私が解説します」

 さて今回の物語は今、よくある異世界召喚のお話。

 初めてこういうのを書くらしいのです、三次元にいる書く人…。

 なのでまたもや意味不になるかもしれません。

 でも頑張って長編作品を完結させます。

 「それでは早速…え?記録係について…でしょうか?…それは物語に関係ありませんが…でも知りたいのなら今回のお話の裏話で語ります」

 それではこの本を…。

 





 ・・・・・・・・・・・

 最近のコミックは大体異世界の本だった。

 異世界が本当に存在するというのなら…?

 そういう意味で書いているというわけではないのだろう。

 本当は…自分が異世界に行きたいと思っているからだろう。

 そりゃあ、みんな地球に何かしらの不満は抱えているだろう。

 僕だって異世界は本当に存在するというのなら行ってみたい。

 …異世界って地球の常識は通用するのだろうか。

 完全にどうでもいい問題というか疑問だな…。

 キーンコーンカーンコーン

 気をつけ、礼

 「「「ありがとうございました〜」」」

 カチカチ…。

 「あ、見て。あの子、また新しい発明をするのかな?」

 「そしたらまた学校…いや世界が発展するね!」

 「そうだね〜。彼はこの学校の誇りそのものだよ。希望と言ってもいいかも」

 「理系の天才で色々な発明を生み出す事ができる天才…こりゃあ逸材だね!」

 …ま〜たクラスの奴らがなにか言っている。気が散って発明に集中できないったらありゃあしない。部品を勝手に持ち込んで休憩時間に暇を見つければ発明…最初は煙たがっていたのに、今や学校の人気者…希望とも言うやつらもいる…。人間ってすぐさま人の評価を変えるものなんだな。

 「…あ〜やっと終わった…」

 僕の名前は七瀬繋(ななせ けい)。市内にある高校に通っている高校生で理系の天才だとか周りに言われている。確かに頭はいいかもしれないが…理系が好きなだけで…天才とかそういうわけではない。文系は壊滅的…国語は問題ないけど、英語と社会…この2つはだいぶ苦手。この2つは完全に相棒にまかせている。テストでは完全にこの2つが死ぬ。学校は嫌いだ、家に帰れば本来の僕でいられる。

 家に帰って、明日は土曜日だからベッドに潜ろうとした。疲れ切っているというわけではないがそういう気分だから潜る。…そうしようと思っていたけど…。

 カン!!!!!!

 「いってぇ!?」

 「ご主人さま。ちゃんと勉強して」

 フィルにフライパンで殴られた。しかも鋼鉄で新品…おい、殺す気か。頭とか殴られたら頭蓋骨割れて死ぬ。布団で衝撃を調和したから何とか生きている。

 この子はフィル・ニュマン。僕が作った機械人形で相棒のような存在だ。知能は普通だが、身体能力は人間の比ではない。金属でできているのにこんなに動けているのは燃費の影響である。実はかなりフィルは電力を消費するため電気代がいつもとんでもないことになっている。なので普段はあんまり派手に動かさないようにしている。動いたら電気代がとんでもなくなる。

 「ご主人さまならフライパンで殴らないでぇ…」

 「そういう価値観はフィルにはない。明日、定期テストなのは理解しているからちゃんと勉強して。理系は完璧なのに文系の壊滅的な点数のせいで留年になったら面倒」

 「明日、土曜日なんだが…?」

 「…間違えた。来週の月曜日だった」

 来週の月曜日なのに明日と言ってしまうこと…あるあるだと思う。脳では理解しているけど口に出るのが違う言葉なんて…矛盾だ。

 「とりあえず勉強」

 「えぇ〜…今日は寝させて…」

 「だめ。起きなきゃフィル、もう一発ご主人さま殴る」

 …あ、だめだ。これはもう一発殴る気満々だ。ご主人さまに忠誠もなにもないよ、この子!?普通ご主人さまをフライパンで殴る!?金属製だから下手したら死ぬから!…これはさっきも言ったか。

 「分かったから!勉強するから!殴るのはやめて!」

 「…文系勉強して」

 「理系勉強するのバレてた!?」

 「そうやって逃げようとするのは…予測していたから」

 この子、僕の対処方法完全に理解しているわ…天敵かもしれない。スクラップにする気なんてさらさらないけどね。可愛いから。

 「理系は完璧なんだからいらない。文系」

 「貴方は僕の保護者ですか!?本来なら立場逆だよね!?」

 「ロリコンで文武両道が出来ないへっぽこなご主人さまがフィルをこう設計したからフィルはこうなっている」

 罵倒が続いている。この子ドSになってきているような…気の所為か☆

 「そんなわけないよね!?なんかフィル、最近反抗的になってきていない!?」

 「フィルは昔からこう。変わってない。機械だから」

 機械だから変化しないという理論はおかしい気がするのだが…機械だって経年劣化するし…人間で言うところの老いのような現象も起こるわけだし…。ま、言えるのは人間と機械は結構似ているということだね。

 「うぅ…仕方がない。フィルのために文系勉強するか…」

 「フィルのためって気持ち悪い。やっぱりロリコン」

 「僕の評価を下げる事を言わないでくれるかな!?悲しくなるから!」

 僕の相棒にこれほど言われるなんて…なんか悲しい。でも悪い気は…あ、やばい。これを言うと確実にフィルにドM扱いされる。やめておいたほうがいい…言うのは。

 「それじゃあちゃんと勉強を…」

 ー…すけ…ー

 と教科書を開いた時…なんか訳のわからない光が部屋を覆った。

 「え?」

 「っ!?ご主人さま!」

 フィルが僕を彼女の後ろに引っ張った。ちなみに襟の部分を掴まれて引っ張られたため首が絞まった。苦しかったけど、あの苦しさより、目の前の光景に対する驚愕の方が大きかった。なんだこれ。…まるで…ファンタジー小説の序盤のようだった。物語の最序盤…主人公が異世界に呼ばれる前触れ…。いや、まさか〜そんなわけ…。

 ー助け…ー

 …うん、これ、王道展開のやつだ。え?ガチで?なんで現代生活に突然こんなファンタジー感溢れる生活に急変するわけ?理系で説明出来るわけ無いだろうが〜…魔法なんて理系とか物理法則をガン無視するようなモノなんだから僕は説明できるわけないよ〜…。

 「フィル、平気?」

 「ロリコンなご主人さまに心配されるほど落ちぶれていない」

 ぐさっと、何かが心のなかに刺さったような気がした。こんな状況でも罵倒される僕って一体…いやこんな状況でも僕を罵倒できる幼女型の機械人形って一体…。

 ー助けてー

 「…王道テンプレ。こりゃあ、次は引っ張られるかな?」

 「何分析して…」

 そして次の瞬間、僕達は光る本の中に吸い込まれた。はい、王道展開です。どうも、ありがとうございました〜。…まさか異世界小説の主人公になってしまうのか?それともモブになるのか…まぁ、死ぬモブにならないように注意しないとね〜。

 …なんでこんなに冷静なんだろう。そこまで僕って僕が自覚ないほどに肝っ玉座っていたの?怯える状況に怯えていないの?ってか予測していたから?そんなありきたりな理由じゃないと思うけど…。

 …でも異世界か…楽しそう…だね。フィル。

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