少女と悪魔編
第19話 悪魔は執事喫茶でバイト中
「ようこそお越しくださいました、お嬢様」
いや、彼は貸与式のカチッとした服装に身を包んでいるため一見すると大人びて見えるが、顔つきにはどこか幼さが感じられ、歳としては青年よりも中学生か高校生くらいに見えた。彼の胸には白プレート(この店、喫茶店「ベルモント」ではアルバイトであることを示す)があり、バイトをしていることから客は彼を高校生であると考えるだろう。
確かに彼は自らの年齢を十六歳とアルバイト申込書に記入したが、実際の彼の年齢はもっと上だった。
――それこそ、数千年ほど、生きていた。
この世界で、ということであれば、彼は生まれて三日目ということにはなるのだが……。
彼は、悪魔だった。
異世界アタンで十二の大陸を巡って天使と争い、引き分けて、そして日本の秋葉原へと飛ばされた。彼もまた天使が日本に飛ばされたことは昨夜の天使とのテレパスで聞いていたが、同じ秋葉原にいることは知らない。……彼女が今、秋葉原で着せ替え人形にされていることも、もちろん知らない。
喫茶店「ベルモント」は女性客を主な対象にしており、
「ご注文がお決まりになりましたら、お手元のボタンを押してお知らせください。――それでは、ごゆっくりお
女性客を席へと案内した悪魔は
アタンでは「くっくっく」と金属同士を
もし彼の今の振る舞いを天使が目にしたら、開いた口が
アタンでは五万の軍勢を率いて
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