私の記憶の道

ハナミ

第1話シンシン降り積もる記憶の桜吹雪

私が覚えてるのは、真っ赤なネイル。

意見を言えば、殴られる。

髪を引っ張られ、殴られる。

心が麻痺する事は、無かった。

鬼婆

この単語が頭から離れない。今日は、喉が乾いて飲み物を取ろうとして、まだ保育園で届かず零す。

鬼婆は、烈火の如く怒り冬の寒空の中裸にされ家から追い出さられる。

寒くて、寒くて

何度も扉を叩く。

手から血が滲む。

あかぎれで。

何とか開けて貰うと、足でめちゃくちゃに蹴られる。

頭の中では楽しい事を想像しながら、早くこの女のイライラが収まるのを待つ。

済んだら、私はダッシュボックス?だったかなそこに家にある靴を捨てる。

まだ、3歳くらいかな?

記憶は曖昧。

ただ、思った事は怒鳴らなくても殴らなくても普通に言えば理解出来るのに。

でしたね。

妙に嬉しいとか、悲しい、とか感情は無くて。

家が苦痛で。

私の居場所はどこ?

私はもう、3歳で演技を覚えていました。親の顔色は無視だけどね、人間付き合いに円滑に進むように。

親からご飯を作ってもらった記憶もない。

だけどね、なにかは食べていたんだと。

だってね、生きている。

今でも戦慄に覚えているのは、真珠のネックレスが綺麗で、1粒欲しくてハサミで切ったらバラバラになって、コロコロ落ちて。

帰ってきた母猫がしたのはテーブルに、何度も何度も頭を打ち付け、鼻血だらけになった私の髪をハサミでジョキジョキときる音。

意味が分からない。

この綺麗な白い玉を貰うのは、いけないこと?

私は

バラバラになった髪。

血まみれの服。

真珠を拾う姿。

馬鹿らしいと。

私は、ジャンクだと思っている。

父に言わせれば、鬼婆が自分に嫉妬していると嬉しいそうに。

家族って何?

人間って何?

分からない。

私にしたら、兄弟も分からない。

私の記憶は、プツプツ切れている。

今書いていても苦しい。

母とは、何か結局分からない。

父にも。

でも、不思議と自分は不幸だとは思わない。

友達もいたし。

狂い咲きの桜だと思う。

真っ赤なたっぷりの私の生き血を吸った。

真っ赤な桜

幼少期は、常にお腹空いていた。

その頃から、多分摂食障害だと思う。

食べれる時に食べないとって気持ちが、とても強かった。何度、思い出しても、親から抱きしめられた記憶が無いし。

高熱を出しても、紙パックのリンゴジュースが投げられるだけ。

あまりにしんどくて、フラフラしながら小児科になんども通った。

親の付き添いで、病院に来る人を見てはテレビみたいだなーとぼんやり思っていた。

母は、水商売

夜は父はラーメンの屋台

お手伝いのおばあちゃんがたまに、ご飯を作ってくれる。美味しいかった。

私はその時期、母が作ったものが味がしなかったんだ。だから、記憶にない。今記憶のピースが落ちてきた。父は、チャーシューの味を覚えている。

私は4歳では生きる事に疲れていた。

ブランコに乗ってぐんぐんスピードをあげる。

これ以上行ったら、この世界じゃない所に行けると本当に飛んだ。

顔面にあざ

足、腕は血だらけ。

私はどこにも行けない。

親から逃げたい。

笑い方も忘れた。

どうでも良くなった。

幼少期の疑問は、どうして毎日こんなに苦しいの?

誰かに殺されたい

生きていても痛いだけ

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