第123話 昔思った『大人』に、なれていない自分

 わたしがまだ子供だった頃。

『大人』というのはすごいと思っていた。

 なにが、すごいのか。

『ちゃんと』していると思っていた。

 ・・・・少なくとも、『ちゃんと』しているように見えていた。

 子供の、わたしには。


『ちゃんと』って、曖昧な表現で。

 何をもって『ちゃんと』しているというのか。


 まずは、見た目。

 お化粧とかひげとか。

 ネクタイとかスーツとかパンプスとかストッキングとか。

 そんな感じ、かなぁ?


 あとは、言動。

 大人はまず、子供みたいに迷わない、間違わない、自分で正しい判断を下して行動することができる。

 なんて、思っていたかもしれないな。

 時に右往左往しているわたしたち子供に、的確な指示を出していてくれたからかもしれない。


 子供の頃のわたしは、年を重ねればいずれはわたしも、憧れの『かっこいい大人』になれると思っていた。

 今。

 誰がどう見たってどう考えたって『子供』とは言えないわたし。

 全然、『ちゃんと』していない。

 子供の頃に憧れていた『大人』には到底なれていないなぁと、痛感している。


 ・・・・私が憧れていた『大人』って、誰だったっけ?


 まずは。

 一番身近なところで、家族。

 両親とか、祖父母とか。

 そして。

 学校の先生。

 それから。

 所属していたボランティア団体の、引率のリーダーとか、年の離れた先輩方とか。


『大人』になった今思うと。

 彼らも、今のわたしと、それほど変わりはないのかもしれないな、なんて思う。

 ・・・・わたしよりは、『ちゃんと』していると思うけど(笑)


【大人子供】

【子供おばさん/おじさん】

 こんな言葉もある。

【ピーターパン症候群】

 という言葉も、あるなぁ。


 大人になれない大人。

 ・・・・『大人』って、なんだろう?


 この人子供みたいだな。

 って。

 悪い意味で思う人を、反面教師にすればいいのかな。


 ●我がままで。

 ●自分勝手で。

 ●周りがどうなったって自分は関係ないって態度で。

 ●自分が悪くても認めないで責任転嫁して。

 ●自分を守る為に平気で他人を陥れる嘘を吐いたりして。

 ●なんでも自分の思い通りにいかないと、癇癪をおこして暴れたりして。

 ●欲しいものはとことん欲しがり、どんな事をしたって手に入れようとするけど、興味が無くなったとたんにポイッってして、また次の欲しいものに手を出す。


 わたしは、どうだろうか。

 該当してるものが、無いだろうか。

 自分では、該当しているものは無い、と思う。

 ・・・・最後のは、ちょっと危ない、かな?(笑)

 とことん欲しがりはしないけど、興味が無くなったらあっさり手放す傾向はある・・・・

 気を付けないと。


 でも。

 この人子供みたいだな。

 って。

 好意的な感情で思う事も、たくさんある。


 ●好きなものの事を話している時に、目をキラキラさせて熱く語っていたり。

 ●相手を信用しているから、毎度ドッキリに引っかかったり。

 ●好きなことに夢中になり過ぎて時間を忘れて焦る事が良くあったり。

 ●びっくりするほど無防備に、喜怒哀楽を表現したり。(主に喜と楽かな)


 昔わたしが見ていた『大人』って、このようないい意味での『子供みたい』なことも、あまり無かったように思う。

 ・・・・子供には、見せないようにしていた一面だったのかな。

 昔わたしが見ていた『大人』たちが。


 今はね。

 両親はもう、いい意味で『子供みたい』になっているし(笑)


 わたしは・・・・どうなんだろうな。

 一応これでも、世界情勢が気になってみたり。

 この国の経済も気になってみたり。

 少しは『大人』っぽいところも、さすがに持っている。

 けど。


 やっぱり、自分が昔憧れた、『かっこいい大人』には程遠いなぁ。

 なんて、思ってしまう。

 ・・・・そうなりたいか?

 と、今問われれば。

 ・・・・そうでもないんだけど、ね(笑)

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