お揃い

 彼女はとても寂しがりでいつも僕にくっついていた。

 そんな小動物のような可愛さに惹かれていた。


「ねえ、一緒の買お!」


 それが彼女の口癖。

 正直、恥ずかしかった。

 だけど、お揃いのものを持つのは嫌な気はしなかった。



 家のクローゼットを開けると、そこは彼女とお揃いのもので溢れていた。

 アクセサリーから始まり、挙げ句の果てには髪色や家具までお揃いにした。

 気がついた時には身の回りの物は全てお揃いになっていた。



「……名前だけはお揃いにできなかったな」


 僕は静かにクローゼットを閉じた。






 

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