プロローグ4
4月も後半。GW間近な月曜日。
週初めのチェックからスタートするため
現場内を確認して回っていると
事務服の女性が通った。
「おはよーごさいまーす!」
「あ!hanaさんー!おかえりー!」
「ふふ!ただいま!
今日からまた宜しくお願いします!」
色んな人に声を代わる代わる掛けられているのは
間違いなく、あの人だった。
現場内を1周して戻るところで
俺とすれ違う。
「あ!坂下さん!」
「え、あっおはようございます」
「おはようございます。今日から復帰します。
改めましてhanaです。宜しくお願いします!」
「あ、名前…」
「え?」
きょとんとしている。
名前、覚えてくれていたのか…。
「名前覚えてくれたんっすね」
「え?あぁ!はい!もちろん!」
もちろん…。
にこっと笑った顔に、すこしグッときた。
前に見たとき、
どんな顔だったかも思い出せないけど
なんだ。可愛いぞ。
くっきりした二重に、茶色めの瞳。
ツヤのあるブラウンの髪。
「こちらこそ宜しくお願いします」
ぺこりと会釈して笑顔で戻っていく後ろ姿を
おもわず目で追ってしまう。
ドアを開けたときに
ふわっとなびいた髪から
優しく甘い香りがした。
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