第61話 このリゾートが終わったのなら

「ボディチェックを行うので、持ち物があれば一旦お預かりいたします」


 男女別々に入ったと思えば、待ち構えていた男性スタッフに指示される。


 ここにきてボディチェック。リゾートに入る時は特になかったのに……。

  

 とりあえずスタッフの指示に従う。

 武器や魔道具といったものは一度テーブルに置いて、他にもあるなら全て一旦取り外す。

 ひとしきりテーブルに並んだら、室内設置の武器、魔道具検査機を通る。


 ブザーが鳴ることがなく、問題なし。

 これで大丈夫だと思い、武器に手を伸ばしたが——


「ワースト・デ・ランドでは武器や魔道具の危険物は持ち込みは禁止となっております。なのでこちらの方で預からせていただきます」


「あ、そうなんだ」


 随分と厳重だな。これじゃ賭博バトルロイヤルは丸腰のみの勝負になるけど。ガルガとホルスが体技得意だから傍にいるとしよう。


「主、何やら怪しい予感が……」


「どうなんだろう。単にワースト・デ・ランドを楽しんでもらいたいという心遣いかもしれないし……。今のところは何も言えないね」


 魔道具はともかく、武器は僕らは出し入れ可能なので離れていで召喚できるから管理していても意味ないけど。


 使わなければいいし、とりあえず内緒で。


 ボディチェックを終えた僕らは建物を出る。


 このリゾートが終わったのなら、僕はもう、みんなとこうやってワイワイできない。


 だから——全力で楽しもうと思う。


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