第11話 同年代チームによるダンジョン攻略〜受付での出来事
ダンジョン攻略の前にギルドハウスへ向かう。依頼をこなす際には必ずギルドハウスを通さなけれいけないのだ。
「
僕のやる気はない。もう引き返して布団に潜りたいほどに。
あと、アルマとラフィアという美少女2人に挟まれているせいで周りの視線が痛い。
お腹も痛い気がする……。
「私もゴブリンは苦手です……」
「おお、ラフィアも同志か……」
女の子からしたらゴブリンは天敵みたいな感じだから嫌う人は多いよね。
「ちょっと2人とも! ダンジョンに行く前からそんなテンションガタ落ちじゃダメだよ!」
僕とラフィアがゴブリンにテンションを下げられている中、何故かアルマだけテンションが高い。
「逆になんでアルマはそんなにやる気なの?」
「ふぇ、ウ、ウチ……!? それはその……」
(クロくんと一緒に行動出来るのが嬉しいなんて言えないよ~)
アルマの目が凄く泳いでいる。しかも頬も妙に赤い。もしかして……
「もしかしてさ」
「っ!? も、も、もしかしてバレちゃった!? ウチがクロくんと居れるのが嬉しいこと——」
「アルマってゴブリン狩るの好きなの?ゴブリンいじめ倒すの好きなの?」
「はい?」
アルマって意外とSっ気あるし、ゴブリンをいたぶったりとかするのが好きなのか。
じゃあここはアルマ1人に任しても……。
「ク、クロくんの……」
「ん?」
「クロくんバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!」
肩を震わせたと思えば、大声でそう言って走って行ってしまった。
「アルマどうしたんだろうね?」
「今のはクロウさんがいけないと思いますよ?」
「僕が?」
「はい」
ラフィアがそう言うなら僕が悪かったのだろう。後で謝っておこう。
◆◇
「むー」
「まだ拗ねてたの?」
アルマはギルドハウスの入り口にいた。未だに怒っている様子で。
「アルマ? アルマさん?」
「ふんっ」
そっぽを向かれてしまった。
このままだとダンジョンでも怒ってそうなので潔く謝罪しよう。
「アルマ、僕が悪かった。許してくれ」
「……」
チラッと、瞳がこちらに向いた。
でもなんで怒ってるんだろう。ラフィアに聞いても「鈍感ですね」しか返ってこないし。
「……手」
「ん?」
突然、差し出された手。
訳が分からずそこままにしていると少し頬を赤らめたアルマが言う。
「手、繋いでくれたら許す……」
手を繋ぐだけで許してくれるのか。安い用件だな。
「はい」
僕は差し出された手を握った。
「~~~っ!」
手を握っただけなのにアルマの顔が赤くなる。ゆでだこみたい。あ、久々にたこ飯食べたいなー。
「むう、アルマちゃんだけずるいです」
そんなことを考えていたら隣からどこか羨ましそうに見つめるラフィア。
「じゃあラフィアも握る?」
「え」
え? 人間って手が2本あるから握れるよね?
「じ、じゃあお言葉に甘えて……」
ラフィアの手も握り、まさに両手に花という状態になる。花というか保護者の引率みたいだね。
そのままの状態で受付へと向かった。
「ふふっ。いつも仲がよろしいですね」
美人受付嬢もといナーシャさんが微笑ましそうに見てきた。
「そう見える?」
「見えますよ。それとも新婚さんみたいと言った方がよろしかったでしょうか?」
「しっ、しし、し、新婚!?」
「新婚なんて……っ!」
ナーシャさんにそう言われて顔を赤くするアルマとラフィア。
手を繋いでただけで新婚とかどういうこと? この世界の結婚の基準、おかしくない?
「ふふっ、お2人は相変わらずですね。そしてクロウさんも相変わらずの鈍感さ」
「えっ、僕って鈍感なの?」
「ええ、驚くほどに」
初めて言われた気がする———いや、よく言われるね。さっきも言われたし。
鈍感って鈍いということか?
すなわち弱いということか?
これでも僕は一般的に見れば、強い方だと思うけど。
「からかうものここまでにしますね。それで、今日のご用件はなんでしょうか?」
一体どこまでをからかっていたんだ。
「
「とてもありがたいです。このような厄介なダンジョンは、クロウさんのような強いギルドに討伐していただけるとサクッと解決しますからね」
「そうかな?」
ゴブリンぐらい僕達以外のギルドでも楽々倒すことができると思うけど。
それから少し説明があると、話を聞き、
「それではお気をつけて」
ナーシャさんに見送られ、僕達は
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