第3話 僕が初配信の準備をする
「初配信は明日だって?」
「うん、私知ってるんだ、ショウが自分の部屋で女声練習してるの……」
「え………」
僕は女装コスプレ配信をすると聞いて頑張って女声を練習していた。
「確信した!ショウは女装コスプレ中は完全な女になりきれ!」
♢♢♢♢♢
「配信はいいとして、初配信はなんのコスをすんの?」
「特に考えていないけど、今私が主演してる『晴れや』の主人公のコスプレ………とか?」
『晴れや』は義姉さんが主演している江戸が舞台の青春ドラマだ。
「よし!それにしよ!」
♢♢♢♢♢
本物は使えないものの、義姉さんが練習用に使っている本物に近い着物を借りることになった。
「化粧教えて」
「化粧?化粧か〜、私化粧できないからな〜」
「は?え?義姉さんって女優だよね?」
「女優だからと言って甘く見るな!化粧すらできないからな!」
「そこいばれるところじゃないから、というか女優のくせに化粧もできないの?」
「ん〜マイクとかは担当の人に任せてるから私自体はやってないな〜」
「え〜?自己流でやるっきゃないか?」
「あっ!私の友達に化粧とかコスプレについてもモノシリな人がいるから!」
そう言って義姉さんは紙に番号を書いた。
「ここに電話して!ショウのためになると思うの。」
「了解。じゃあ義姉さんは…」
「実は、明日から名古屋の方に撮影で出張に行くから帰って来れないの。」
「ほう、それで?」
「1人で頑張って!」
そう、義姉さんがいなければ僕は家に1人なのだ。
母親と義理の父はこの間、海外に旅行に行ったのだが、感染病の件で日本に帰ってこれない。
まぁ、家事は一通りできるしいいんだけど。
♢♢♢♢♢
「もしもし、」
「もしもし?もしかしてソラちゃんの弟のカケルくん?」
「はい、多分あってます。カケルじゃなくてショウですよ。」
「ごめんね、ソラちゃん、振り仮名つけてくれないから…」
「大丈夫ですよ、それで化粧教えてもらいたいのですが…」
「いいよ!ショウくんは顔が整っているから私も腕を振るっちゃうよ!」
「ありがとうございます!」
「あっ、そういえば名前言ってなかったね。私は
「義姉さんから化粧とかコスプレにも興味があると聞きました。」
「それでショウくんはどうするか決めた?」
「はい!お願いします!」
お金には目がない僕は、配信者として稼ぎたい。
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