ただ酒を飲むシーンのみを全力で書いた。

曇空 鈍縒

第1話 ビール

目の前にある深い黄金色のビールの入ったジョッキをとった。ふわふわとした泡がとてもおいしそうだ。

思いっきりのどに流し込む。

少しシュワっとした炭酸の適度な刺激と、爽やかな苦みにわずかな甘みと酸味が絡んで絶妙な味を作り出している。口から鼻に抜けていく爽やかな香りがその味に深みを添えている。

喉を通った時の爽やかな後味は、とても気分がいいものだ。苦みはそこで仕事を終えたかのようにすーと消える。

ビールのキーンとした冷たさで、真夏の暑さも吹き飛んでしまう。

「お代わり!」

俺はそう言った。

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