第359話 レミお姉ちゃんと一緒にお風呂に入る

 便器くんやラーメンはクーヤちゃんの召喚獣なので、たとえ壊してしまっても復活するという説明をされたレミお姉ちゃんでしたが、そういうモノなんだと諦めるまで1時間ほどかかりました。


 まあどう見ても無機物なのに召喚獣だと説明されたのだから、天才だからこそ納得いかなかったのでしょうね。


 それから2時間くらい便器くんの身体検査をしていたレミお姉ちゃん。


 便器の仕組みはすぐ理解できたんだけど、やはり袖リモコンで長考に入ってしまったので、『これは同じ物を作ろうとしないで、独自のやり方でそれっぽいのを作るしかないです』と助言してあげた。


 DVDプレイヤーの時も同じように悩んだわけだけど、無理なものは無理なのだ。


 ワンプッシュで動かすのは無理でも、手動で近い動きをさせることならできるんじゃないかって気もしますしね~。


 レミお姉ちゃんの頭の中でも何かアイデアが浮かんだみたいで、便器くんの身体検査も無事終了。


 トイレ工事は明日から始めることに決まり、今日はもうまったりして過ごすことになりました。



 あと隣の土地なのですが、まあそのまんまと言いますか・・・、ママさんが半分買ってそこに会社を建てることになったみたいですね。


 なあなあだと揉め事の原因になるだけなので、ボク達が建てるアパートとは完全に別物です。会社はママさん1人の財力で建てるから結構な大金が必要だとは思うのですが、全然問題ないようです。


 買った土地がいきなり半分になったわけですから、面白くなく思う人もいるかと思ったのですが、オーナーですらよく分かっていない意味不明な会社を建てるってのがすでに面白いので、反対意見を言う人はいませんでした!


 ティアナ姉ちゃんの就職先になりそうですし、ボクとタマねえも勝手に社員にされたようですし、旅のメンバーやウチの家族にしても絶対関りを持つでしょうから、まあいいんじゃないでしょうか?


 ただ税金の問題とかもありそうなので、レオナねえとママさんは明日にでも不動産屋に行くみたいです。もちろん、面倒臭いのでボクは行きませんが!



 話が纏まったので一旦レミお姉ちゃん親子を家まで送ったのですが、やっぱりレミお姉ちゃんはボクんちに泊まり込む気マンマンだったようで、着替えやらを持って一緒に帰って来ました。



「むふ~!今日からクーヤちゃんとの新婚生活が始まるのね!」

「ぐぬぬぬ・・・」

「レミねえにトイレ工事を頼んだクーヤが悪い」



 まあ昼間は工事があるから四六時中ベッタリってことはないだろうけど、寝る時は間違いなく抱き枕だ。おっぱいで窒息死しないよう気を付けねば・・・。



「お?ハムちゃん通信が来た。ハム吉から」

「ハム吉?黒眼鏡?」


 ああ、麻雀セットの特許の件か!


「麻雀セットの特許を取りに行きたいから、明日役所に来られるか?だって」

「トイレ工事勢は忙しいけど、クーヤは行っても大丈夫だと思う」

「ん~、そうだね。んじゃオーケーしとこう!」

「エーーーー!?クーヤちゃんが見てないと力が出ないわ~!」


 クネクネしているレミお姉ちゃんは無視して、ハム吉に『了解!3時頃行くだば』と伝えた。ちなみに3時は日本時間で午前9時36分です。


「結局ボクも忙しくなっちゃったのですよ!」

「もちろんタマもついてく」


 いい機会だし、グリフォンを貸し出す話もしよっと。

 条件は麻雀セットと黒眼鏡を人数分。あとマグロのおっちゃんの分もかな?


「そうだ!レミお姉ちゃんもいることだし、今日の夕食はバッファローのステーキにしよう!」


 旅行に持っていった分は使い切っちゃったけど、お母さんの冷蔵庫ハムちゃんがまだ結構ブロック肉を持っているのですよ。


「おお!タマも一緒に食べていい?」

「じゃあ庭で鉄板焼きにしよう!」

「ねえねえクーヤちゃん。バッファローっていうのは何かしら?」

「えーとですね~、最近流行りの高級肉なのです!そろそろジャーキー工房で販売されていてもいい頃だけど、この前聞くの忘れたなあ」

「そんな高級肉があったのね!」


 ウチはパンダ工房と懇意な関係なので、バッファローの肉もジャーキーも格安で好きなだけ買えるのだ!


 レミお姉ちゃんにも売ってもらえるようパンダ工房に伝えとこう。っていうか、この前時計屋さんだってライガーさんに紹介したし、クーヤちゃんの紹介だって言えば一発だろうけどね~。




 ◇




 夕方になり、庭に鉄板を二枚並べてステーキを焼き始めた。


 今日は珍しくウチの庭での焼肉パーティーなので、タマねえのおじいちゃんおばあちゃんも招待した。お隣さんだから歩いて1分の距離だしね!


 笑顔でお母さんと話している姿を見ながら、タマねえも嬉しそうにしてます。



「そろそろいい具合に焼けたかな?」

「うん」



 もちろんお客様ファーストで、レミお姉ちゃんからステーキを食べてもらう。

 おそらくシャトーブリアンと思われる最強の部位を渡しましたぞ!



「ほわあああああ~~~~~!柔らかくてすごく美味しいわ!」

「このタレにつけると更に美味しくなるのですよ!」

「本当に美味しい!」

「マジで最強ステーキだよな!」

「私が今まで食べたお肉の中でも一番ですよ!200点満点です!」



 肉食系姫騎士のプリンお姉ちゃんが認めた最強肉なので、間違いないのだ!


 そして夕食が終わった後はお風呂です。


 お客様ファーストということでレミお姉ちゃんが先頭バッターなのですが、当然ボクも連れていかれるみたいで、タマねえも同行しました。



「ちょ、やめ、アヒャヒャ!にゃーーーーーっはっはっはっはっはっは!!」



 その奇跡の爆乳に圧倒されているところを捕獲され、レミお姉ちゃんとタマねえという謎コンビによる、天国なのか地獄なのかわからない全身ぺろぺろ洗いの刑に処されました。



 ブオーーーーー



 お風呂から上がって、レミお姉ちゃんの髪にドライヤーをかけてあげていると、気持ち良さそうな顔をしていた彼女が鏡を見て、大変なことに気付きました。



「あれ?何だかいつもよりすごく肌艶が良いような・・・。ハッ!?クーヤちゃんに洗ってもらったおかげかしら!?」



 たしかにタマねえと一緒にレミお姉ちゃんを丸洗いしましたけど、お肌がツヤツヤになった原因はそれだけじゃないですね~。


 いつもお世話になってるし、彼女になら教えてあげてもいいかな?



「たしかに丸洗いの効果はバツグンなのですが、実はウチのお風呂は『女神の湯』と呼ばれる伝説のお風呂ですので、美肌効果があるのですよ!」

「女神の湯!?」

「まあお風呂というより、使用した水がすごいのです!帰る時にレミお姉ちゃんにも『聖なる水』を1樽プレゼントするね!」

「それで毎日顔を洗うだけでお肌ツヤツヤ。超オススメ」

「そんな奇跡の水があったのね!すごく嬉しいわ!!」

「ただし絶対秘密にしてください!この情報が漏洩してしまうと、マダムの大群がウチのお風呂に雪崩れ込んで来て大惨事になってしまうのです」

「マ、マダムの大群が!?」



 情報を半端に教える方が危険なので、水の出所はハムちゃんだと説明し、絶対に秘密にすると約束してもらった。


 ママさんにも絶対バレるでしょうから、しっかり口止めしなきゃですね~。

 

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