第356話 白くて可愛くて頼りになるキミとの再会
昨日はチョコレートアイスケーキの解禁で超盛り上がったわけですが、レオナねえ達の任務はどうなったのか聞いたところ、ホニャ毛メンバーと一緒にロコ姉ちゃんの家までついて行って、きちんとスイーツ爆弾を炸裂させてきたようです。
ただホニャ毛はまだグルミーダの革集め真っ只中だから、邪魔しちゃ悪いということで、ボク達はしばらくグルミーダの革集めには行かないことにしました。
まあ必要な分はしっかり揃えてあるし、予備があったらいいなーくらいですので、そうシャカリキになって集めなくてもいいのだ。
というわけで今日は適当にのんびりしてからレミお姉ちゃんの家に行き、ママさんに隣の土地を見せてから話し合う予定です。
本来なら電話が欲しくなる場面なんだけど、ボクにはハムちゃん通信という必殺技があるので、レミお姉ちゃん専属のハムちゃんに聞くだけで、ママさんが家にいるかどうかわかるのですよ!
やっぱハムちゃんは一家に一台だよね~。
ティアナ姉ちゃんは普通に登校していったんだけど、クリスお姉ちゃんは休日らしいので、ボク・タマねえ・お母さん・クリスお姉ちゃん・レオナねえ・リリカちゃん・プリンお姉ちゃんと、今日は朝から家の中がわちゃわちゃしてます。
そんな中、アイテム召喚の時間になったので、全員所定の位置に着きました。
「昨日は酷い目にあいましたが、今日のメンツなら大丈夫。アイテム召喚!」
昨日と同じく朝のアイテム召喚なので、室内で光が爆発したにも拘らずみんなの目は未だ健在だった。まあ眩しいのは変わらないんだけどね。
・・・しかし出現したアイテムを見て、手の震えが止まらなくなった。
「ん?何だこりゃ?」
「椅子かしら~?」
「それにしても硬そうな椅子ね」
「あわわ、あわわわわわ!お、お、お前は・・・、便器くんじゃないですか!!」
独特なフォルムだし、こんなん見間違うわけがない。
生前何度もお世話になった洋式トイレです!!
後ろのタンクと一体型になっているヤツが出たので、もうこれだけで使えそうな雰囲気ですよ?
しかも袖ボタンが見えてるので、たぶん温水洗浄機能付きトイレだ!
なんてこった!マジで大当たりを引いてしまったかもしれない!
「便器?」
「え?これっておトイレなの!?」
「ボクが知る限り、最高級の便器くんです!ずっと欲しかったアイテムです!」
「へーーーーー!最高級の便器とは気になるな・・・」
レオナねえにタンクを開けるのを手伝ってもらうと、中には水がたっぷり入っていた。すなわち今すぐにでも使える状態なので、新品ではないということ。
そうなると衛生状態が気になるので、ウェットティッシュを召喚し、二人で便器をピカピカに拭いていく。
元々光り輝いてたからキレイに使われてはいたんだろうけど、一応ね?
そしてタオルを召喚し、仕上げとして乾拭きをした。
この状態でストックすれば、気持ち良くトイレが使えることでしょう!
「ストック!」
召喚獣リストの文字化けを、『便器くん』に書き変える。
「便器くん召喚!」
そして無事召喚獣となった便器くんが目の前に出現した。
魔力によって電源がONになり、何やら小さな音が鳴りだした。
あ、温水洗浄機能付きだから自動で水を温めているのかな?
「早速使ってみたいとこだけど、下に水が流れていっちゃうから家の中が大惨事になっちゃうんだよなあ・・・。どうすりゃいいんだこれ?」
「下から水が出てくるのかよ!そもそも最高級の便器とか言われてもさっぱり意味が分かんねーし。ん~、庭に穴でも掘るか?」
「庭でおしっこするの嫌なんですけど!」
「じゃあどうすんだよ?」
「あ、別におしっこしなくても使えることがわかればいいのか!じゃあお風呂でいいかもしれない。でも便器くんの下から水がジョバーって出ると思うから、木材を二本とか穴の開いた台とか欲しいですね。何かいい物ないかなあ?」
「風呂の椅子でいいだろ」
「あ、いいかも!真ん中に穴空いてるもんね。ただ便器くんって結構重いから壊れなきゃいいけど・・・」
みんなでゾロゾロと浴室に移動した。
そしてお風呂に置いてあった椅子をベストポジションに持ってきて、その上に便器くんを召喚。
ぐぬぬぬ、ちょっと不安定だけど慎重に座れば大丈夫か。
・・・さて。
ちょっとギャラリー多過ぎません!?
この状況でパンツを脱いで便座に腰掛けるのは、かなり勇気がいるんですけど!
「じゃあレオナねえ!便器くんの蓋を開けてみてください」
「蓋?ああ、さっき開けたヤツか」
パカッ
「そしたら、ズボンとパンツを脱いでそこに座ってください!」
「ちょっと待てや!アタシがやるのかよ!!」
「大丈夫なのです!リアクション芸人のレオナねえが奇声をあげることで、全員興味深々になって争奪戦が始まりますから!」
「なんで奇声をあげるの前提なんだよ!!それにこの人数の前でパンツ脱いで座れとか、鬼畜ミッション過ぎるだろ!!」
「あーーーっはっはっはっはっはっは!大丈夫、レオナなら出来るわ!」
「せめて板か何かで隠してくれよ!」
「家に板なんかあるの?」
「鉄板は?」
「鉄板なら出せるけど、床に突き刺さないと倒れちゃうよ?」
「タマが倒れないように持ってる」
「おお!じゃあタマねえお願い!」
便器くんとギャラリー達の間に鉄板を召喚すると、すかさずタマねえが鉄板を掴んでくれた。
「これで大丈夫」
「準備が整いました。レオナねえ、パンツを脱いで便器くんに座ってください!」
「ぐぬぬぬ、まあこれならいいか・・・」
鉄板の向こう側でゴソゴソ聞こえた後、レオナねえが便器くんに座った。
「ほうほう。座り心地は悪くねえな」
「じゃあレオナねえ、大きい方をした後の気持ちになってください」
「大きい方なのかよ!・・・よし、したぞー」
「ここから最高級便器くんが真の実力を発揮します!『おしり』って書いてあるボタンを押してください!」
「おしり?どれだよ?文字が読めねえぞー」
「あ、日本語で書いてあるんだった!」
「クーヤ、こっち来て説明しろ!」
「ボクに見られちゃうけどいいの?」
「クーヤなら別に見られても構わんから早く来い!」
まあ一緒にお風呂入ったりしてますし、もう何度も見られてますからね~。
「えーとねえ、このボタンだよ」
「あ~、これっておしりの絵だったのか!」
レオナねえが『おしり』のボタンを押した。
ジョボボボボボ
「のっひょおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!」
レオナねえの奇声が浴室に響き渡った。
「どうですか!?レオナ隊長!」
「おい!ちょ、コレ!後ろに水が直撃してるじゃねえか!!」
「用を足した後におしりを洗ってキレイにするための機能ですので、むしろそれで大成功なのです。もし命中率が悪かったら、自分で動いて当ててください」
「マジかよ!いや、完璧に直撃してる!わかった、もういい!どうやって止めるんだこれ?」
「一番上にある、小さい四角が描いてあるボタンを押したら止まりますよ~」
「これか!」
温水の射出がストップした。レオナねえもホッとした顔になる。
「やっと止まった・・・」
「水が冷たくなかったでしょ?ちゃんと温水が出るようになっているのですよ!」
「確かに温かかった気がする。地味にスゲーなこれ!」
「じゃあ次いきますよ!」
「は?まだあんのかよ!!便器って普通、用を足したら出番終了だろ!なんで終わった後に色々あんだよ!?」
「この『ビデ』って書いてあるボタンを押してください。これは女性専用のボタンなので、男性には必要のないボタンなのですが」
「また水が出てくるんじゃねえだろうな?」
ジョボボボボボ
「うっひょおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」
レオナねえの奇声が浴室に響き渡った。
「お、おい、ちょっと待てって!当たっちゃダメな所に直撃してんだけど!!」
「むしろそれで大成功なのです。女性にはその機能が必要な日がありますよね?」
「はあ?・・・あーーーーー!そういうことか!確かにこれは便利だな!」
というわけで、水の射出をストップした。
「ボクも今気付いたのですが、どうやらこの便器くんは本当に最強便器くんだったみたいです。上から四つ目のこのボタンを押してみてください!」
「もういいだろ!!」
「今度は水が出てくるわけじゃないから大丈夫なのです!」
「本当だろうな!?」
レオナねえが四つ目のボタンを押すと、ビュオオオオオという音が鳴り響いた。
「なんだこりゃ!?今度は凄い勢いで風が出てきたぞ!!」
「風で水を吹き飛ばして、おしりを乾燥させているのです!すなわちこの便器くんがあれば、トイレでおしりを拭く必要すら無いのです!」
「マジかよ!究極便器じゃねえか!!」
おしりが渇いたので停止ボタンを押し、レオナねえの体験学習が終了した。
パンツとズボンを履き直したレオナねえが立ち上がる。
「ふ~~~、恐ろしいトイレだったぜ・・・」
「あ、一つ大事なことを忘れてました。最後にこのボタンを押してみてください」
「これか?」
ジョパーーーーーーーーーーーーーーーッ!
「大きいのをした後でしたので、ブツが残ったままでした。でもこれで下に流れていったのでもう安心です!」
「なんじゃこりゃ!この便器凄すぎだろ!!」
鉄板の外側に出ると、レオナねえの奇声を聞いていたギャラリー達が目を輝かせていた。当然レオナねえはみんなに質問責めされる。
うん。こりゃあ全員に体験させることになりそうですね・・・。
タンクの水の残量や温水に不安があったので、便器くんを召喚し直した。
そうか!ウチの便器と交換するにしても、水が出るようにしなきゃいけないのか。
こうなったら、レミお姉ちゃんやナナお姉ちゃんに相談しなきゃですね~。
◇◇◇
便器が高性能すぎて長くなっちゃった(´・ω・`)
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