第342話 家族に土地の権利書を披露する
パンダ工房での用事は済んだので、マグロのおっちゃん達にトナカイを渡すために再び食堂へと向かった。
相変わらずマッチョスイーツパーティーは続いており、ライガーさん達が食堂の隅っこでお昼を食べていたので話し掛けたんだけど、ボク達がお土産をばら撒いたことに気が付いていたようでした。
もちろん怒ったりはしませんでしたよ?むしろ従業員達の分まで大量にお土産を買って来たボク達に感謝してました!
そして食事が終わった大人勢を連れて外に出て、トナカイを引き渡した。
召喚獣ってのは野生の動物と違い、逃げ出すこともないし悪いこともしないから、紐で繋いでおく必要が無いので、行動範囲だけ決めてその辺で遊ばせておく感じでオッケーってことになった。
マグロのおっちゃんとメルお姉ちゃんは王妃様のお遣いで来ただけなので、ボク達と行動を共にする理由が無く、あとは好きなように行動してもらうってことで、『困ったことがあったらウチに来て』とだけ言って、パンダ工房を後にした。
「お昼過ぎか~。まだ時間には余裕があるけど、どうしよう?」
「今日は土地を買ったりとすげー忙しかったから、もう十分だろ!」
「そうだね~。買った土地を見に行きたい気持ちはあるけど明日でいいや」
「ガイアさんの所に行くのは明日?」
「だな!あと孤児院もだ。ホニャ毛にもお土産を渡したいけど、アイツらはグルミーダ狩りの最中だろうから、あの森まで行かなきゃダメかもしれん」
「狩り場をスイーツまみれにするのって危なくないですか?」
「いや、さすがにグルミーダの森で渡されても困るだろ。ロコの家まで押し掛けて人数分放出する感じかな?」
「じゃあホニャ毛はレオナねえ達に任せていい?ボクは、レミお姉ちゃんにスイーツをお届けしなきゃならないのですよ」
「それなら、タマもクーヤについてく」
「了解だ。しかしホニャ毛と一緒に行動するならグリフォンは使えねえな・・・」
「まあ、たまにはシャンクルでまったり歩いて行くのもいいんじゃない?」
というわけで、明日は悪そうなお兄さんの所と孤児院に行って、明後日はレオナねえ達と別行動することに決まった。
プリンお姉ちゃんはグルミーダの森の方が気になるらしく、レオナねえについて行くようだ。レミお姉ちゃんの家に行くのはボクとタマねえだけだね。
予定も決まったので、今日のところは解散!
レオナねえと一緒に我が家へと帰還した。
◇
「わーーーっはっはっはっはっは!見ろ、これが土地の権利書だ!!」
「「オオオオオォォォォォーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
クリスお姉ちゃんとティアナ姉ちゃんが帰宅したところで、レオナねえが今日の戦利品である土地の権利書を披露した。
「一体いくらで買ったのよ?」
「2000万だ!」
「すごい金額だね~」
「お隣さんは結構広いから高いのよ~」
「誰かに買われる前にゲットできて良かったのです!」
「もう買う気マンマンだったから、買えなかったら絶望してたな」
何だかんだでボク達も楽しみにしてたから、レオナねえだけじゃなく、あの場にいた全員が絶望してたかも。
「あの古い家はどうするの?」
「近い内に業者が来てぶっ壊してくれるらしい。もちろん瓦礫も持って行ってくれるハズだ」
「じゃあどんな家を建てるかゆっくり考えられるね!」
「だな!『大奥』がどんな建物なのか知らねえから、クーヤ頼みになるが」
「エエエエエーーーーー!!ボクが考えるの!?」
「どんな建物なのか知ってるんだろ?」
「ん~~~、知ってると言えば知ってるけど、昔の建物だから絶対不便だよ?普通に二階建てのオシャレな家を建てた方がいいと思う」
「昔の建物なのかよ!それじゃ今ある隣の屋敷と変わんねーじゃん!」
「だから用事が終わったら、みんなで集まって考えようよ!」
「そうだな~」
まあ急ぐことは無いんだから、ゆっくり考えればいいのです!
でもやっぱり家のことばかり考えてしまい、結局、テレビで見た最新式の豪邸なんかを思い出しながら夜更かししてしまうのだった。
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一夜明け、スイーツ爆弾を持って東区を攻めるために、旅のメンバーが集結した。
でもその前に、買った土地のことが気になってしょうがなかったので、囲んであるロープを潜って隣の敷地に入ってみた。
「ぬわーーーーーっはっはっはっはっは!これ全部アタシらの土地だぜ!!」
まだお化け屋敷みたいな家があるのは気に入らないけど、最近まで人が住んでいたから、庭は手入れされていて結構キレイだった。
「このロープの範囲内すべてが買った土地なんだよね?」
「だな。やっぱりウチの2倍くらいあるんじゃねえかな~」
「この広さならハムちゃん体操が捗るのです!」
「今は庭も広いですけど、大きな建物を建てるんですよね?」
「敷地を全部使うわけじゃないよね?すごく大きくても半分とかじゃない?」
「さすがに敷地をフル活用するほどのデカい建物にはしねえぞ!クーヤが言ったように、ハムちゃん体操ができたりした方が面白いだろうし」
「朝のハムちゃん体操は重要!」
この緑豊かな感じが最高なのですよ!
都会みたいに建物だけが並んでる状態じゃ、息が詰まってしまいます。
ここにいる全員が出資者だから自分の土地でもあるので、散らばって敷地内をチェックし始めた。
ボクは土地の広さが知りたかったので、ロープを辿って一周してみる。
んーーーーー、実は一坪がどれくらいの大きさなのか知らないんだよな~。
すべて『メートル』で統一してくれていれば分かりやすいのに、日本で暮らしてた時だって『尺』だの『反』だの『インチ』だの『フィート』だの、メチャメチャややこしくて気に入らなかったんだよね。
まあでも思った通り、我が家の2倍くらいあるのは間違いなさそう。
何となく200坪ってことでいいでしょう!しかし本当に広いな・・・。
納得いったので入口の所まで戻って来た。
「驚きの新事実!この古い屋敷、地味にめっちゃデケェのな!」
「平屋だけどね~」
「このお屋敷より大きな建物を建てたとしても、余裕で倉庫なんかも作れるよ!」
「夢が広がりますね!」
「室内訓練場とか欲しい」
「タマねえ、それいいかも!」
「ナイスアイデアだ!麻雀ルームとかも作らんとな」
「みんなで集まってワイワイ騒ぐ部屋だね!」
「そんなの絶対楽しいに決まってるよ!」
ちょっと土地を見に来ただけなのに、結局何だかんだで1時間くらい、どんな家にしようかみんなで話し合ったのでした!
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