第240話 レオナねえ、オシャレ装備に目覚める
黒い服を買うと宣言したレオナねえが企画室を飛び出すと、エミリーお姉ちゃんが『こいつぁ面白くなって来ましたよ!』って顔をして追いかけて行った。
たぶんいっぱい服を抱えてこの部屋に戻って来ると思ったので、ボク達はプリンお姉ちゃんのドレスアーマーでの戦闘方法や、盾を持つかどうか?足りない装備品は無いか?などの最終調整へと入った。
「戦う相手次第ですかね?攻撃力が重要となる魔物などが相手の場合は両手剣での戦闘方法が良いと思いますが、魔法を使って来たりと何をやって来るか分からない盗賊相手ならば盾を持った方が安全でしょうから」
「なるほど!盾って魔法対策でもあったんだね~」
「私の盾は魔法耐性が付いていますので、対人戦ではかなり有効ですよ」
装備品に魔法耐性なんてのがあったのか!
「あーーーーー!火の魔法でドレスが燃やされちゃうかもしれない!」
「このままだとその可能性がありますね。なので火の耐性と魔法耐性を上げる付与魔法を掛けてもらおうと思っています」
「付与魔法!?」
「盾に付与してもらった強力な付与魔法だとお金も時間もかかりますが、軽い付与魔法ならば確か1日でやってくれたような気がします」
「そんな便利なおっさんがいるのかー!」
「おっさんとは限りませんが・・・」
「マダムかも」
「えええええ!?マダムはイヤなのーーーーー!!」
あひるポンチョに付与魔法を掛けてもらう!?
いや、汚れて召喚し直した時に付与魔法も消滅するからダメか。
ガチャッ
「よっしゃーーーーー!早速試着してみるぞ!」
レオナねえが黒い服を抱えて企画室に戻って来た。
さっき彼女を追いかけて行ったエミリーお姉ちゃんも何着か服を抱えている。
そして二人は試着室へと入った。
「レオナねえもお洒落な服に目覚めたみたいだね」
「わかる!新しい服を着てるだけで毎日楽しい」
「私も毎日が楽しいです!」
タマねえもプリンお姉ちゃんも、元々それほどお洒落に興味がないタイプだったんだけど、この前のショッピングで考え方が変わったのかも?
やっぱ女の子ならお洒落を楽しまないとね!
シャーーーーーッ
「「おおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーー!!」」
カーテンが開くと、カジュアルな黒い服の上に鉄のビキニを付けたエッチなお姉さんが、艶めかしいポーズを付けて立っていた。
これは驚きましたぞ!本気を出したレオナねえって結構凄いやん!
こんなお姉さんが道端に立っていたら、絶対ナンパされまくると思う。
でもレオナねえを見ると、イマイチ納得していない表情なんだよね・・・。
「エロい!」
「いつものレオナねえと違う!」
「すごい色気ですね!」
「へーーーーー!レオナも本気を出せばなかなかやるじゃない!」
「ん~~~~~、悪くはないんだけど・・・」
カーテンが閉まった。
良いと思ったんだけど、本人はどうもしっくり来ていない様子。
シャーーーーーッ
「「おおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーー!!」」
この前プリンお姉ちゃんがファッションショーで着ていた、黒いチャイナドレス風のエロい衣装だ!ショートカットでも美人だから似合ってるな~。
「エロい来ました!でもこの服だと、鉄のビキニがちょっと邪魔かな?」
「綺麗だけど戦いにくそう」
「アレって、この前私が着た衣装ですよね!?」
「レオナのくせに生意気!悔しいけど似合ってるわね」
「ん~~~~~、見た目はなかなかだけど動きにくいな」
カーテンが閉まった。
どうやら今の服も機動性で却下されたみたい。
レオナねえはどういう服を求めてるんだろ?
それから3回カーテンが開いたんだけど、満面の笑みレベルの服には出会えなかったらしく、元の服に戻って試着室から出てきた。
「これだ!って服に出会えなかったの?」
「いや、どれも悪くはなかったぞ。買うなら最初と最後の服かな?」
「最初の服はすごく良かった」
「全部似合っていて羨ましかったです!」
「でも不服そうね?どういう服を求めていたのよ?」
「カッコイイ服だな!でもシェミールに置いてある服って基本的に女性らしい服ばっかだろ?カッコイイのなら男性服でも構わなかったんだけど、この店にはそもそも男性服の数が少なかった。まあ、無い物ねだりをしてもしゃーない」
「なるほど・・・。男性服は苦手分野なのよね~」
あのファッション雑誌って女性服ばかりだったもんな。百戦錬磨のクリスお姉ちゃんといえど、構想を練って一から男性服を作り上げるのは時間が掛かるか。だったら売れまくる女性服の方を攻めたいだろうし。
「しょうがありませんね。ここはクーヤちゃんが一肌脱ぎましょう!」
レオナねえが求める服は、もう何となく分かってる。
要はロックでパンクな衣装なんだよ!レオナねえは中二病患者だったのだ!
それさえ分かればもう簡単。
あとはボクの頭の中にあるカッコイイ服を、紙面にダウンロードするだけだ。
紙を広げて、まずは女性用の黒いライダースーツのような絵を描く。
上着の上から下まで銀色のボタンを付けていくが、あえて胸元は大きく開き、そのすぐ下に白いフワッとした紐を付けてリボンのように結ぶ。特に意味はない。
腰には白いベルトを使い、ズボンも格好良く仕上げる。そして黒いブーツを履かせれば、ヘヴィメタルの完成だ。
そして袖の無いコートみたいなマントを羽織らせ、最後に首周りから足元まで炎のような赤いラインを入れていく。
これだけでも服としては十分なんだけど、レオナねえといえば鉄のビキニだ。それを付け加えている時に『中二病なら赤だろう!』と、赤い鉄のビキニに変更した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
レオナねえが目を大きく開いて震えている。
「コレだ・・・。アタシが求めていたのはコレなんだよ!!なんて天才的なデザインなんだ!!マジで死ぬほどカッコイイ!!」
やっぱりレオナねえは中二病患者の人でしたーーーーー!
でも言動まで中二病にならないよう注意しなければいけませんな。
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