第151話 捕獲成功!!
ドガガガガーーーーーーーーーーーーーーン!
すぐ目の前で凄まじい破壊音が鳴り響いてるが、ナナお姉ちゃんの魔法障壁のお陰でボク達に荒れ狂う魔法が降り注ぐことはなかった。
「まったく何も見えないんですけど!?」
「しばらくこのままだぞ。それよりも攻撃開始だ!魔力が尽きたらアイツらみんな逃げちまうんだ。物理攻撃なら魔法障壁をすり抜けるから鉄の玉を投げまくれ!!」
レオナねえとアイリスお姉ちゃんが、タマねえが持っているドル箱に手を突っ込み、握りしめたパチンコ玉を適当にブンブン投げ始めた。
それを見たタマねえも、何も見えないままパチンコ玉を投げまくる。
「うっは、なんかもう滅茶苦茶だね!カブトムシ全員召喚!」
手のひらの上に5体のカブトムシが出現。
「まずは真上に飛んで行って、安全な所に抜けたら、魔法を撃って来ている魔物に攻撃だ!みんなバラバラに違うヤツを狙ってね。何度も繰り返していっぱい倒すんだよ?じゃあ上に放るからね。いっけーーーーーーーーー!」
ポイッ
ブブブブブブブ!
カブトムシが真上に飛んで行った。
あとはここで見守るだけです。まったく何も見えないけど!
ガシュッ!
スガガガガガガガガガガガン!
ボシュウウウ
ジャババババババババ!
ドガーーーーーーーーーーーーーーーーン!
ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
もう
しかしレオナねえ達って、前にもたった三人でこんな無茶をしたんだよね?
めちゃめちゃ凄くね!?一歩間違っただけで死ぬじゃんこんなの!
明らかに致死量の魔法がガンガン飛んで来てるのに、一人で耐え続けているナナお姉ちゃんの魔法障壁も半端ねえっス!
ボクはまだ、この三人をナメてたのかもしれない。
おそらく冒険者ギルドでも、ランカークラスのチームだよ!
普通、女三人でこんなクソヤバイ森に来るか!?いや、タマねえと二人だけでドラゴンとガチバトルをしたボクが言うのもアレなんですけどね。
ドドドドドドドドド
でも絶対、・・・ん?
ドドドドドドドドド
「なに?この『ドドドド』って音」
後ろを振り向くと、デッカイ猪が走って来ている姿が見えた。
「にょわああああああああああああ!うしろーーーーーーーーーーーー!!」
驚愕するボクの声を聞いて、魔法に集中するナナお姉ちゃん以外の三人が後ろを振り返った。
「「メメトンゼロだ!!」」
レオナねえは地面に置いてあった剣を拾い上げ、タマねえもバールを握りしめ、背後から迫る巨大猪に立ち向かった。
ドゴーーーーーーーーーーーーーーン!!
「っしゃーーーー!今日はツイてるぜええええええええええ!!」
「くっ!そんなにツイてない!」
「わかってねえな!『メメトンゼロ』は高級肉なんだよ!今夜は御馳走だぞ!!」
何だそのカロリーゼロみたいな名前は!?
・・・ん?メメトン?
あーーーっ!ハンバーグを作るのに使ってる肉じゃん!!なるほど、前回レオナねえ達がココに来た理由って『メメトンゼロ』狙いだったのか!謎は全て解けた!!
ピンチを演出する派手な登場だったのにも関わらず、『メメトンゼロ』はレオナねえとタマねえにタコ殴りにされながら、更にアイリスお姉ちゃんの弓矢で針ねずみ状態になり、思ったよりも呆気なく討伐された。
ううむ、この三人による集中攻撃もえぐいね・・・。
なんかボクの周りって、やたらと強い人ばっか集まってる気がしません?
◇
「よーーーし!アルペジーラの魔法が止んだよ!!」
「了解だ!じゃあ魔法障壁を解除してくれ。一応みんな気を抜くなよ?」
「やっと終わったか~。何体倒せたかな?」
「クーヤはタマの後ろにいて」
「あい!」
ナナお姉ちゃんが魔法障壁を解除すると、少し歪んでいた景色が正常に戻った。
「おお!見た感じ結構倒してるぞ!!でも慎重に進むからな」
レオナねえを先頭にジリジリと前進しながら、カブトムシ達に深追い禁止の命令を出した。遠くで倒されてしまうと回収が命懸けになってしまうからね。
そして戻って来たカブトムシをあひるポンチョにくっつけたまま、倒れているアルペジーラを色だけ確認してどんどんストックしていく。
凶悪な先制攻撃をかまして来る魔物だけど、見た目がハムスターだから、倒れている姿はあまり見ていたくなかったのです。
じっくり見るのは、回収が終わった後に元気な姿で召喚してからだ。
カブトムシによる追撃はちょっと森の深くまで行ってたけど、再度魔法攻撃されることなく、全て回収することが出来ました!
「しかし酷いもんだろ?」
「うん。大惨事だね・・・」
アルペジーラが倒れていた場所の周辺が、どれもゴミの山になっているのです。
葉っぱとか小動物や虫の死骸まみれで、お宝を発掘する気にもなりません!
倒れている『メメトンゼロ』の前まで戻って来た。
「コイツだけは絶対に持ち帰りたい!アルペジーラの不思議空間が本当に使えるかどうか試してみようぜ?」
「さすがに丸ごと1体ってのは無理じゃない?」
「モチロンわかってる。ココで解体するにしても、どれくらいの大きさにカットすればいいのかが知りたいんだ。つーか、近くに水場があるといいんだが・・・」
いくら何でも、こんな巨大猪がハムスターの口の中に入るわきゃない。
・・・さてと、何色にしようかな~!
「ハムちゃん(ピンク)召喚!」
シュッ
目の前に薄いピンク色のハムスターが出現した。
『チュウ?』
可愛い声で鳴いたハムちゃんが、ボクの顔を見て二本足で立ち上がった。
身長は5歳児のボクとほぼ一緒。鼻を寄せて来てクンクンさせている。
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
全員が固まった。そして時は動き出す。
「「可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」」
やっべええええええええええええ!なんだこの超絶可愛い召喚獣は!!
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