第67話 久々にライガーさんが登場
ブーーーーーーーッ
室内にブザー音が鳴り響いた。
来客を知らせるインターホンみたいなヤツだ。
音でお知らせするだけで、通話とかは出来ないけど。
「あ、誰か来たよ?」
「クッソー、いいとこだったのに!」
「レオナはいつでもモフれるじゃない!ホラ、早く行って来なさい!」
「しゃーねーなあ・・・」
パンダちゃんに顔をうずめていたレオナねえが、来客に対応する為、玄関に出て行った。
そしてアイリスお姉ちゃんとナナお姉ちゃんは、パンダちゃんのモフモフを続行。
うん、この二人も完全に堕ちたね。
ガチャッ
『失礼します。あれ?レオナじゃねえか!ここってお前の家だったのか!・・・それとも俺が家を間違えたのか!?』
『ライガーのおっちゃんじゃん!ここはアタシん
『えーとな、クーヤって子供に会いに来たんだが・・・、この家にいるのか?』
『クーヤ??いるけど、何でここにいるって知ってんだ!?』
『前にクーヤの荷物を届ける為に、この家に来たことがあるんだよ』
『本当かよ!クーヤと知り合いだったとは驚いたぜ!』
なんか、クーヤがどうとか言ってない?
それにあの声って、もしかしてライガーさんが来たのか?
ガチャッ
「おーい、クーヤ!お客さんだぞ~」
「ちょっと失礼するぞー」
部屋に入って来たライガーさんを目が合った。
「クーヤ、久しぶりだな!」
「あ、ライガーさんだ!お久しぶりでーーーす!」
「まさかレオナの弟だったとは知らな・・・」
ライガーさんの目線がパンダちゃんに向いた。
「なんだありゃあああああああああああああああああああああ!!」
室内にライガーさんの魂の叫びが轟いた。
「あーーーーっはっはっはっはっはっはっは!ウチのペットだぜ!名前はパンダちゃんだ」
「パンダちゃん??いや、ペットって!いくら何でもデカ過ぎだろう!!」
「なんせクーヤが連れて来たペットだからな~。アタシだって、見た時はライガーのおっちゃんくらい驚いたぞ!」
「クーヤが連れて来ただって!?・・・ああ、確かにクーヤならやらかしそうだな」
クーヤならやらかしそうって、心外ですね!!
「ところで、クーヤに用事があって来たんじゃないのか?」
「ああ、そうだそうだ!全部頭から吹き飛んでしまってたぞ。クーヤにちょっとした話があるんだが、えーと・・・、こっちのテーブルに座ってもらえるか?」
「あい!」
良い返事をしてから、食卓の椅子に移動した。
しかし一体何の話だろ?
「ところでお母さんはいないのか?」
「お買い物に行ってるよ。そろそろ帰って来るかな?」
「そうか。じゃあとりあえず、レオナも一緒に聞いてくれ」
「アタシも??」
二人も食卓の椅子に腰掛けた。
「えーと、話ってのはだな、この前クーヤに貰った筋肉を鍛える道具のことなんだ。でな、あまりにも素晴らしい道具だったが一つ限りの品だったので、壊れた時のことを考え鍛冶屋で予備を作ってもらったんだよ」
なるほど!壊れる前に予備を作っといたのか。なかなかやりますな。
ライガーさんが持っていたバッグから何かを取り出した。
「これが鍛冶屋で作ってもらったヤツだ!作るのに相当苦労したみたいだが、かなり近いものが完成したと言えるだろう」
ライガーさんがバッグから取り出したのは、ダンベルとエキスパンダーだった。
って、こんな重いバッグを軽々と持ってたんかーい!
「それでだな、これを売りに出してみないか?って話になったわけよ。しかし元々はクーヤが持っていた物だ。俺だけの判断で売りに出すわけにはいかない」
ああ、なるほど!特許とかの問題ね?
俺だって自分で作った物じゃないから、権利を持ってるわけじゃないんだけど。
「ん-ーー、好きにしていいよ?アレはライガーさんにあげたモノだし」
「いや、そうはいかん!『ニ&グ=<』を取れば、商品が売れるたびに少なからず金が入って来るんだ。その権利は俺じゃなくてクーヤにある」
話の流れを掴んだのだろう、レオナねえも会話に入って来た。
「クーヤ、これは大事な話だぜ?テキトーじゃ駄目だ」
「ん-ーー、でもさ、あんな感じで手に入れたアイテムだよ?」
液晶テレビを指差した。
「なんだありゃあ!?・・・あのデカいのもクーヤが持って来た物なのか!?」
「えーと、うん!!」
「なるほど・・・、クーヤの国に『ニ&グ=<』があるとなれば、勝手に使うわけにゃいかねえか・・・」
『ニ&グ=<』ってのは特許って単語だな。よし、覚えた。
「クーヤの国ってどういうことだ?」
「あ~~~、えーとね、ボクって元々外国に住んでたの」
あまりお涙頂戴的な流れにならないよう、この家に住むことになった経緯をサラッと説明した。
「でもね、その国は絶対に行けない場所にあるから、アイテムを売りに出しても全然問題無いよ?」
「なぜ絶対と言い切れる?」
「えーとねえ・・・、歩いていつか辿り着けるような場所じゃないの。ずーーーーーーっと海の底にあるような感じ?行ったり来たりするの絶対無理なの」
これはやっちまったか?
隠しておくつもりだった領域に踏み込んでしまっている。
「もしかしてクーヤって、あの召喚魔法みたいに出てきたのか!?」
レオナねえが真顔になっている。
マズイな・・・、どう話を濁そうか。
「近いけどちょっと違うかな?あのアイテムなんかがいっぱいある
「魔法か!?」
それだ!摩訶不思議現象のせいにしちまえ。
「国の凄く偉い人が大事にしてた道具で遊んでたら『ピョーーーーーン』って!」
「うわ、変な魔道具に触っちまったのか!!」
「なんでそんな危険な物で遊んでんだよ!?まあクーヤだしな・・・」
よし!子供が盛大にやらかした感じにもっていけたぞ!
「でね、ここに来たら言葉が全然違っててすごく困ったの!」
「あーーーーっ!そこに繋がるのか!!」
「お前よく生きてたな・・・。しかし言葉が通じないってことは、クーヤが言ったことは全部真実かもしれねえ。特許の心配は無用か・・・」
誤魔化せたーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
しかも呼び出すアイテムの意味不明さの説明にもなって一石二鳥やん!
でも次からは気を付けて会話しねえとな・・・。特に自分の話なんかは。
なんとか危機を脱出し、話は特許の方へと戻った。
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