第40話 ショタ争奪戦

 アイリスお姉ちゃん&ナナお姉ちゃんに見つかったショタは、次の瞬間二人に揉みくちゃにされていた。



「なんでクーヤちゃんがレオナの家にいるのよ!?あ~~、可愛いな~もう!」

「レオナに誘拐されたのね!?でもお姉ちゃんが来たからには、もう大丈夫だからね~!あは~、ほっぺぷにぷに~~~!」

「うにゃ~~~!!」


 両サイドから二人に抱きつかれて、まったく身動きがとれません!!


「おい!なんで二人がクーヤと知り合いなんだよ!?それに誘拐なんてしてねーからな!」


「街の広場でよく遊んでたからね~」

「誘拐してないのなら、どうしてクーヤちゃんがここにいるのかしら?」


「しゃーねえな。どうも知り合いみたいだし、一応説明しとくか・・・」



 ってことで、レオナねえが事情を知らない二人に経緯を説明した。




 ◇




「そうだったの・・・、だからクーヤちゃんは広場に・・・、ぐすっ」

「うえええええええええええん!今までよく頑張ったね!!」

「うにゃ~~~~~!!」



 号泣した二人の抱擁が一段と強くなり、更に涙やら鼻水やらでショタが大惨事なのですが!!


 しかしこのイベントはもうこれで最後だと思うから、今は黙って耐えるんだ!!



 ―――そして二人が落ち着いたところで、ようやく夕食を頂く時間となった。



 それと同時に瀕死状態だったショタも解放され、ティアナ姉ちゃんが大惨事の俺をタオルでゴシゴシ拭いてくれた。


 そうこうしてるうちにクリスお姉ちゃんが帰宅したので、全員が夕食の並べられたテーブルに着く。



「あっ!これってクーヤくんが持ってたマヨとかいうヤツだよね!?」

「あの時の不思議調味料だ!!」


 あ、そうだそうだ!初披露したのってこの二人が最初だった気がするぞ。


「実はこのマヨネーズってね、サラダにかけるのが一番美味しいんだよ」

「「へーーーーー!!」」


 ってことで、二人のサラダにマヨをかけてあげた。


 元々ドレッシングで軽く味付けはしてあるんだけど、マヨ&ドレッシングの組み合わせだとサラダが更に美味くなるのです!


「なるほど!これは本当に美味しい!」

「外国にはすごい調味料があるのね~!」


 レオナねえのさっきの説明で、俺は外国から来たと知らされているのだ。


「そんなに美味いの?その変なヤツ」

「私とリリカも少し前に使わせてもらったんだけど、すごく美味しいよ!」

「おいしいよ!!」

「クーヤ!アタシのサラダにもかけてくれ!」

「えーーー!そこまで手が届かないんだけど」


 なぜかみんな自分でマヨをかけようとはせず、俺の前にサラダの入った器が並べられた。しょうがないので全部にマヨをかけていく。


「おお!ホントにうめえ!!」

「美味しいわね~!クーヤちゃんがかけてくれたからかしら~?」

「それもあるでしょうけど、クリーム的な調味料なんて初めてよね。どうやって作ったのかしら・・・」


 作り方か~。

 確か、卵と酢と油で作るんじゃなかったかな?あ、白身はいらないんだっけか。


 でも殺菌されてない生卵を使うと食中毒になるかもしれんし、変に知識はひけらかさないのが吉とみた。ここはスルーしよう。


 みんなが俺の情報を期待してそうだったので、ちょっとだけヒントを出す程度で。


「卵を使うみたいだけど、よくわかんない!」

「ほうほうほう・・・、言われてみると確かに玉子焼きみたいな色だね」

「でも酸味を感じるわね~」



 ・・・とまあそんな感じで、今日の夕食はマヨ話が中心となったのだった。




 ◇




「さ~てクーヤちゃん。一緒にお風呂入るわよ~!リリカも行くわよ~」



 ・・・なにィ!


 お母さんと一緒にお風呂だと!?

 リリカちゃんも一緒みたいだけど、こんな綺麗な女性とお風呂って!!


 マジか・・・、めちゃめちゃ緊張して来た。



「お母さんずるい!私がクーヤちゃんと一緒に入るの!」

「あなたじゃ少し力不足ではないかしら?ティアナの慎ましやかなおっぱいじゃ、クーヤくんを洗うには頼りないわね。ここは私が行くわ!」

「なんでおっぱいで洗うことになってるのよ!!」


 クリスお姉ちゃんによるおっぱい洗いですと!?是非お願いします!!

 今のところ一緒にお風呂に入りたい候補ナンバーワンです!


 お母さんと接戦なんだけど、あっちはもれなくリリカちゃんが付いて来るので、やっぱりクリスお姉ちゃんが1位です!7馬身差です!


「アタシに任せな!こう見えて子供を洗うのが上手いって近所で評判なんだぞ!」

「絶対嘘だ!子供を洗ったことなんてないくせに!」

「レオナに任せたらクーヤくんがバラバラになっちゃうわ」

「ならねえよ!!」



「「ちょっと待ったーーーーーーーーーー!!」」



 みんなの視線がアイリスお姉ちゃんとナナお姉ちゃんに向く。


「家族ならいつでも一緒にお風呂入れるよね?けどウチらには今しかチャンスがないんだ!今回は譲って!!」

「おっぱいには自信があるわ!絶対にクーヤちゃんをピカピカにしてみせる!」



 ―――その気迫に圧されてお姉ちゃんズがたじろいだ。



 いや、お姉ちゃんカテゴリだと全員になってしまうか・・・。

 たじろいだのは家族の全員ね。


「ぐぬぬぬ、おっぱいは合格だけど・・・」

「だからなんでおっぱいで洗うことになってんのさ!?」

「たしかにアタシらはいつでも一緒に入れるしな。今回は譲るか・・・」

「じゃあクーヤちゃんをよろしくね~!」



 ってことでショタ争奪戦は、アイリスお姉ちゃんとナナお姉ちゃんコンビに軍配が上がった。


 更にショタと一緒にお風呂に入る順番の話合いが始まり、年齢順のローテーションで毎日誰かと一緒にお風呂に入ることが決定する。


 もう正直、誰と一緒にお風呂でも楽しみでしょうがないんですけど!!



 ちなみにリリカちゃんは最後までよくわかっていなかった模様。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る